中園町で逢いましょう

山口市内の空き家を活用して一時的に文化施設を創出する、市民参加型のアートプロジェクト「meet the artist 2022：メディアとしての空間をつくる」の成果を紹介するイベントです。

プロジェクトではこれまで、山口市内にある空き家を市民をはじめとするプロジェクトメンバーや、専門家らと解体／改修し、一時的な文化施設へと転換する試みを進めてきました。成果発表として実施する今回のイベントでは最終的に解体した古民家の一部を会場となるホワイエに再現します。そしてその内部で古民家をかつて構成していた部材を、さまざまなクリエイターらと什器や家具などに変換する作業を展開するとともに、プロジェクトの取り組みを紹介する様々な資料を展示します。

国内外の実践者も交えて考える「場」が持つ可能性

イベントは展示と、廃材の利活用の2つから構成されます。展示では、プロジェクトの過程で調査した山口市内の空き家問題の現況や、このプロジェクトを通じて模索してきた空き家の利活用モデルについての資料や、プロジェクトで最終的に解体した古民家の部材（廃材）などが展示され、会場となるホワイエにプロジェクトで使用した古民家が断片的に再現されます。また廃材の利活用では、古民家を構成していた木材や瓦、粘土といった部材を加工して、屋台などの構造物、皿や箸などの食器、ベンチやゴミ箱、植木鉢などの什器などのプロダクトへと変換していくプロセスが提示されます。こうしたプロダクトの制作には、山口県内で活躍するクリエイターらも多数参加しており、来場者は生み出されたプロダクトを購入できるほか、そのプロセスに参画することもできます。このほか会期中には、プロジェクトの過程で開催していたディスカッションイベントやレクチャーなどのイベントを、関連イベントとして多数開催します。「公共空間」や「場」という言葉が持つ意味合いが大きく変化する現在だからこそ、あらためて多様なバックグラウンドの人々とそれらの持つ社会的意義を再考するとともに、「場」が持つ記憶を継承する方法を検討していきます。