終了
株式会社細尾+YCAM共同研究開発プロジェクト
2015〜2018年度
京都西陣織とメディア・テクノロジーの邂逅
元禄年間から続く京都の西陣織の老舗・細尾と共同で、西陣織の技術とメディア・テクノロジーの融合の可能性を探るプロジェクトです。
西陣織は貴族や武士階級の高級先染めの紋織物として発展を遂げ、その過程で贅を尽くした卓越した技巧が生み出されました。その後、製造プロセスの近代化が進んだ現在においても、世界最高峰の織機技術を有した伝統工芸として知られています。その中でも細尾は伝統的な織屋としての歴史を持ちつつも、常に革新的な技術を取り入れ、進化した織物を生み出し続けてきました。
このプロジェクトでは、コンピュータープログラムや新規素材を用いて、「糸」や「織」といった布の根源的な構成要素に新しい可能性と発想を与えるとともに、これからの布の展望、さらには布によってもたらされる新たな芸術文化の進展を思考します。
これまでとこれから
2015年度は、YCAMが開催したムン・キョンウォンとの展覧会「プロミス・パーク―未来のパターンへのイマジネーション」で公開した17m×17mの巨大な絨毯の制作を契機に、細尾とアーティスト/プログラマーの古舘健が、西陣織の制作過程にコンピューター・プログラムを導入することで、「織」に新しい発想を与える試作実験を開始しました。
2016年度には、このソフトウェアを完成させるとともに、研究チームに慶應義塾大学筧康明研究室も迎え、化学的アプローチなどを応用した新規素材の導入実験を開始しました。
2017年度は、一連の研究成果に基づいて開発した新作布を公開します。
基本情報
実施期間 | 2015〜2018年度 |