あそべる図書館—Speculative Library

世界中から知識やアイデアを集め、知恵を生み出すプラットフォームとしての展覧会です。

YCAMでは近年、生活におけるアートの「価値」について議論し、「学びの場」としてのアートセンターの可能性を探求する試みを展開しており、2021年にはインドネシアを拠点とするアーティスト・コレクティブのセラムの展覧会などを開催してきました。

本展はこれまでの試みを発展させた展覧会です。会場となるホワイエに設置された大型のドームを起点に、来場者の知識や思い出、アイデアを引き出し、保管し、交換する7つのプログラムを常に展開しており、自由に参加することができます。ほかにも会期中にはワークショップなどのイベントも多数開催します。

アイデアや知識をシェアし育む学びの場としての展覧会

本展の会場となるホワイエには、来場者の「知識」「思い出」「アイデア」を記録できる仕掛けや、それを共有するための機能があります。これらは来場者同士の創造的なやりとりを促すもので、そのトピックはYCAMのある山口市にまつわること、個人的な悩み、社会問題など、多岐に渡ります。本展自体が、多様な価値観や知見が蓄積され、共有されるプラットフォームとして機能していきます。

ミーティング・ドーム

誰もが利用可能なスペースで、読書や作業、ディスカッションなど、自由に利用可能です。貸出もしています。

あそべるラジオ局

来場者がラジオ番組をつくったり、会話を録音したりすることができるスペースです。YCAMのスタッフも、オリジナルインターネットラジオ「YCAMぐるぐるラジオ」の収録にこのスペースを使用します。

メモリー・クエスト

山口市内の町並みを擬似的に散歩しながら、みんなの記憶や思い出を旅するゲームを制作予定です。来場者の語ったストーリーを、聞いたり、読んだり、遊んだりすることができます。

Arte Útil（アルテ・ウティル） アーカイブ

Arte Utilとは、クリエイティブに社会を変える方法を想像し、実際にそれを実行する「有用芸術」を指します。このアーカイブでは、この街が抱える社会問題を解決するきっかけになるような、世界中から集められたArte Utilの事例をピックアップし、ご紹介しています。

声のライブラリー

来場者の「知識」、「思い出」、「アイデア」などを録音し、印刷するシステムを開発中です。どんな人たちが来館しているのか、それぞれの物語や共通する思いなどをオリジナル資料として集めます。

どこでもアート鑑賞

地元アーティストや市民から集めた作品や思い出の品々を展示し、貸し出します。返却時にはその作品との思い出や役に立ったことなどを共有していただきます。

RE： マップ「山口市」

この街をどのように考えていますか？真っ白な地図に、あなたが持っている「街についての情報」を書き込んで、一緒に新しいこの街の地図を作りましょう。地図を作ることを通じて、いつもと違う視線で街を見ることができるかもしれません。