浪曲×映画
出演者 玉川奈々福、沢村さくら、坂本頼光
浪曲×映画の魅力を発見!
浪曲を映画に取り入れた浪曲トーキー=浪曲映画の魅力を紹介するイベントです。
三味線を伴奏に独特の節と語りで情景豊かに物語を伝える日本伝統の話り芸である「浪曲」。浪曲が大衆から絶大な人気を誇った昭和初期は、サイレント映画からトーキー映画への移行期でもありました。ラジオやレコードの普及で大ブレイクしていた寿々木米若の浪曲「佐渡情話」を映画化した、元祖・浪曲映画「新佐渡情話」が大成功を収めると、浪曲口演付きや浪曲の演目を脚本とした「浪曲映画」が次々と製作されるようになります。本イベントでは、浪曲映画と浪曲口演をセットでご覧いただくことで、浪曲の魅力をたっぷりとご紹介していきます。「新佐渡情話」を含む3作品のほか、サイレント時代劇「忠次旅日記」を活弁付きでお届けします。
演目
10月16日(土)10:30開演『世紀は笑ふ』
笑いと涙の浪曲師誕生ストーリー
国立映画アーカイブ
田舎町でラーメン屋台をやっている幼馴染で親友の杉野凡作と、プロ顔負けの素人浪曲語りの広田大造。大造は才能を見込まれるが、親友を捨てて浪曲の道を進むことに躊躇する。そんな大造に、凡作はあえて喧嘩をふっかけ友情を壊し、大造は浪曲師として大成してゆく。成功の影にあった友情、そして恋愛を、涙と笑いにくるんで描いた、映画ファン、浪曲ファン必見の傑作。浪曲界のスーパースター・広沢虎造の自伝的物語。
1941年/96分/モノクロ/日活/35mmフィルム(提供:国立映画アーカイブ)
監督:マキノ正博
脚本:小國英雄
出演:杉狂児、広沢虎造、轟夕起子、芝田新、上代勇吉、吉谷久雄、潮万太郎
浪曲 「お民の度胸」
文久3年6月17日の夜。遠州仲の町在小松村の七五郎とお民の家に、森の石松が飛び込んできた。深い傷を負って体中血だらけである。聞けば、近在の博徒・都鳥三兄弟に、親分次郎長のために預かった百両の金を貸してしまい、返してもらおうと催促に行ったところ、だまし討ちに遭ったのだという。七五郎は自らの命を捨てる覚悟で石松をかくまい、お民に離縁を言い渡す。ところが、それを聞いて、女房お民は、笑いだす...。
10月16日(土)14:30開演 「呼子星」
涙、涙の物語。「母もの」映画の傑作!
©︎KADOKAWA
寿々木米若の曲師を務める前田民子は、恋人新吉と駆け落ちして東京に逃れ、みどりという愛児をもうける。貧しいながらも幸福な生活を送っていたが、新吉を事故で亡くし、娘のために旅巡業に出ることに。ところが誤って人を事故死させたことで民子は刑務所へ。幼い娘と別れることになる。その後、20年の刑期を終えた民子は、成長したみどりが結婚することを知るのだった...。浪曲師・伊丹秀子、広沢虎造らが特別出演している。
1952年/83分/モノクロ/大映
監督:吉村廉
出演:三益愛子、松島トモ子、三橋達也、小林桂樹、広沢虎造、寿々木米若、伊丹秀子
浪曲「浪花節更紗」
二親に早く死に別れ、天涯孤独の浪太郎。浪花節になりたくて、当時売り出し中の怒涛軒鮫右衛門に入門したが、旅先で師匠に置いてきぼりを食らってしまった。しかたなく荷車を押して日銭を稼いでいたが、どうしても浪花節に戻りたい。桂米朝、小沢昭一らの師匠であった、作家・正岡容の浪花節修行の青春小説「浪花節更紗」を奈々福が浪曲化。明治20年代の人情深い浪曲世界が描かれる。
10月17日(日)10:30開演 「新佐渡情話」
これぞ浪曲映画!!
©︎日活
娘を産んだまま家を出た妻の消息を尋ね、佐渡へ渡った父と幼い娘。父の死で身寄りもなくなった娘は佐渡の貧しい家庭で育てられ、その家の息子と心を通わす。だが成長した2人には、皮肉な運命が待っていた。佐渡の民謡をもとに寿々木米若によって創作された浪曲「佐渡情話」の人気にあやかって製作された元祖・浪曲映画。純愛ものに母子ものの要素が加えられ、劇中には哀切こもった米若節が流れる。
※公演終了後に玉川奈々福、沢村さくら、坂本頼光、田井肇(シネマ 5 支配人/全国で実施する「浪曲映画祭」の仕掛け人)のトークイベントを開催(約40分)
1936年/78分/モノクロ/日活監督:清瀬英次郎
脚本:三田初雄
出演:黒川弥太郎、花井蘭子、田中泰子、酒井米子
口演:寿々木米若
浪曲 「小田原の猫餅」
小田原の本町通りにある勘兵衛餅屋の店の前に、一人の旅人が立ち止まる。暖簾を分けて入ろうとして気が付いたのは、この店の目の前に同じく餅と書いた暖簾がある。勘兵衛餅屋は立派だが、こっちの軒は傾き屋根は荒れ、見るもみすぼらしい。「どういうわけでこういうことになったのかわからねえが、同じ一皿の餅を食べるのなら、困る餅屋に金を落としてやろう」と旅人が、このみすぼらしい餅屋に入ったことから、起こる騒動。
10月17日(日)15:00開演 「忠次旅日記 デジタル復元版」 ※活弁付き
サイレント映画の大傑作を活弁と三味線伴奏で!
国立映画アーカイブ
日本映画史に残る傑作として名高いサイレント時代劇。赤城の山から逃げ延びた忠次は、越後の造り酒屋に番頭として身を隠すが、やがて正体が発覚し、再び追われる身に...。秀逸なユーモア、移動撮影の妙、絶妙な字幕の挿入、大河内傳次郎の激しい殺陣。叙情的にして悲壮な美に貫かれた傑作。本来3部作でプリントは焼失したとされていたが、1991年に発見され復元された、第2部の一部、および第3部の大部分による復元版。
※本編終映後、短編作品の活弁上映あり
1927年/107分/モノクロ(染色)/日活(提供:国立映画アーカイブ)
監督・脚色:伊藤大輔
出演:大河内傳次郎、中村英雄、澤蘭子、伏見直江、磯川元春
弁士:坂本頼光
曲師:沢村さくら
プロフィール
出演者
玉川奈々福
浪曲師
神奈川県横浜市出身。1995年二代目玉川福太郎に曲師(浪曲三味線)として入門。2001年より浪曲師としても活動。06年、奈々福で名披露目。さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、自作の新作や長編浪曲も手掛け、他ジャンルとの交流も多岐にわたって行う。(一社)日本浪曲協会理事。平成30年度文化庁文化交流使として、中欧、中央アジア7ヶ国で公演を行った。第11回伊丹十三賞受賞。著書に『浪花節で生きてみ ...
沢村さくら
曲師(浪曲三味線)
山形県出身。大学在学中より浪曲に興味を持ち、2000年3月に沢村豊子に弟子入り、同年11月浅草木馬亭にて初舞台。05年に大阪へ住まいを移し、06年11月に「一心寺門前浪曲寄席」にて大阪初舞台、以後大阪にて活動。関東関西の節を弾きこなし、ベテランから若手まで多くの浪曲師の曲師を務める。同時にさまざまな企画を立てて浪曲公演を主催。令和3年(2021年)第十八回上方の舞台裏方大賞、令和2年度大阪文化祭奨 ...
坂本頼光
活動写真弁士
1979年東京生まれ。中学2年頃より映画熱にとりつかれ、活動写真弁士を志す。2000年『鞍馬天狗』前篇の説明でデビュー。以降、時代劇作品を中心に全国各地で活弁ライブを行い、現在までの説明作品は約120本。10年にエール大ほか、米国5大学の公演に参加。アニメの声優やCMナレーションなどもこなす。平成28年度・花形演芸大賞において銀賞、平成30年度同金賞受賞。
申込み・チケット情報
前売り券発売日
- 一般発売
- 2021年9月4日(土)10:00
料金
前売+当日
- 一般
- 2,000円
- any会員
- 1,700円
- 25歳以下
- 1,700円
- 特別割引
- 1,700円
- 高校生以下
- 500円
4作品セット 前売+当日
- 一般
- 7,600円
- any会員
- 6,400円
- 25歳以下
- 6,400円
- 特別割引
- 6,400円
備考
高校生以下の4作品セット券はありません
基本情報
開催日時 |
2021年10月16日(土)、17日(日) |
会場 | |
関連イベント | 1イベント |
申込み・チケット情報 | 有料 要チケット購入 |
前売り券発売日 |
一般発売 2021年9月4日(土)10:00 |
クレジット |
主催:公益財団法人山口市文化振興財団 |