「おと」「こえ」「うた」そして「ラジオ」
登壇者 桂英史、蓮沼執太 モデレーター 会田大也
人間は胎児の頃から音や声の強弱や抑揚を識別することができます。光よりも音を先に識別することを宿命づけられた人間にとって、ラジオが伝える「おと」「こえ」「うた」は共感と了解の共同体をもたらすきっかけとなります。そんなラジオの特徴をマーシャル・マクルーハンはうまい具合に「部族の太鼓」という比喩を用いて論じました。大小の危機を切り抜けなければならない日常生活にあって、どんな局面に遭遇しても、その個人にとって、「ラジオ」楽しめてしかも頼れる「おと」「こえ」「うた」を伝えるメディアです。この「部族の太鼓」はどういう形であれ、鳴り続けるのではないでしょうか。 小さくても確かな部族を作る太鼓でありたい。そんな志で始めた「ライブラリーラジオ」。そのフィナーレにあたって、「おと」「こえ」「うた」の現場に携わる音楽家とメディアの研究者が、ラジオを切り口にとして「おと」「こえ」「うた」をめぐる表現について語ります。
プロフィール
登壇者
桂英史
情報学/メディア論研究者
1959年生まれ。長崎県出身。図書館情報大学大学院(現・筑波大学図書館情報専門学群)修了。現在、東京藝術大学大学院映像研究科教授。メディア研究、図書館情報学、文化史、コミュニケーション論などの知見を駆使し、著作だけでなく、せんだいメディアテーク(宮城県仙台市)やメディアセブン(埼玉県川口市)などさまざまな公共施設開設のコンサルティング、精神病院での映像製作プロジェクト、岩波映画などのアーカイヴ活動 ...
蓮沼執太
音楽家
1983年東京都生まれ。音楽作品のリリース、蓮沼執太フィル/チームを組織して国内外でのコンサート公演、コミッションワーク、他ジャンルとのコラボレーションを多数制作する。音楽祭『ミュージック・トゥデイ』を企画・構成をする。過去の出演に飴屋法水たち、高橋悠治、塩見允枝子など。主な個展に『音楽からとんでみる3|have a go at flying from music part 3』(2011年 ブル ...
モデレーター
会田大也
アーティスティック・ディレクター
2003年開館当初より11年間、山口情報芸術センター(YCAM)の教育普及担当として、メディアリテラシー教育と美術教育の領域にまたがるオリジナルワークショップや教育コンテンツの開発と実施を担当する。2014年より東京大学大学院ソーシャルICTグローバル・クリエイティブ・リーダー[GCL]育成プログラム特任助教。あいちトリエンナーレ2019ラーニング・キュレーターを経て、2020年現在、YCAM学芸 ...
基本情報
開催日時 |
2012年3月11日(日) |