Guest Research Project vol.1関連展示
高度な技術とアイデア、創造性が結びつく、 メディアアートの表現
YCAMに滞在中の技術者/アーティストのカイル・マクドナルドが制作に参加した2つの作品を紹介する展覧会です。2011年8月からマクドナルドがYCAMと実施している共同研究プロジェクト「Guest Research Project vol.1」の一環として開催します。
カイル・マクドナルドは、メディアアート作品に関わる高度な技術力と、芸術と科学を横断する専門性を生かした作品を発表するほか、大規模なプロジェクトにも数多く参加しています。とくに、ソフトウェアの開発においては、先端的な技術を、汎用性の優れたシステムとして利用可能にすることで、国際的に高く評価されています。この展覧会では彼の技術への探究心と、遊び心溢れた感性が結びついた2つの作品を展示します。
展示作品
カイル・マクドナルド、ザック・リーバーマン、テオ・ワトソン、真鍋大度「The Janus Machine(ヤヌス・マシン) 」(2010年)
観客と別の人物の表情が合成された立体的な顔の映像が、様々に変化する作品。マクドナルドが開発した3Dスキャニングのためのオープンソース・ソフトウェア「DIY 3D Scanning」(2009)を応用した本作では、顔の3次元計測データの処理により、映像が生成される仕組みになっている。
観客がブースの椅子に座ると、照明の投射とともに、顔の輪郭がスキャニングされ、自らの表情が正面のスクリーンに立体的に浮かび上がる。その映像は、コンピュータに保存されたデータと合成され、年齢や性別の異なる他者の表情を含む新たな姿へと移り変わる。タイトルにある「ヤヌス」とは、ローマ神話に出てくる前後2つの顔をもつ守護神のことを示し、行く/帰る、過去/未来、若さ/老いといった、移り変わりやデュアリティ(二項性)の意を含む。古代の神話やメタファーに新たな解釈を与えるかのように、本作は、自己と他者、過去と未来の境界を映し出す。
カイル・マクドナルド 「I Eat Beats(アイ・イート・ビーツ)」
2008-2009|インスタレーション
キャンディを使って、演奏ができる楽器「I Eat Beats」。テーブル上に投影されたラインにあわせて、音符の役割となるキャンディを配置すると、様々なリズムが生まれる。当初は、Webカメラとコンピュータというシンプルな機器を用い、画像認識技術を応用したプロトタイプとして制作された本作。誰もが簡単に操作でき、さらに複数のプレイヤーが同時に演奏したり、キャンディー食べながら楽しめるオリジナルの電子楽器は、タンジブルユーザインターフェイスの試作ともいえる。マクドナルドのアイデアと技術が結びついた遊び心溢れる作品です。
※YCAMにおける展示では、類似のオブジェを用いて演奏することができます。
入場料
- 入場無料
基本情報
開催日時 |
2011年9月10日(土)〜12月25日(日) 10:00〜20:00 |
イベント休止日 |
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会場 |
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入場料 | 入場無料 |
クレジット |
主催:公益財団法人山口市文化振興財団 |