もっと演劇を楽しむためのワークショップ
講師 阿部初美、谷川清美
「あー楽しかった。」だけじゃもったいない!
演出家の阿部初美と俳優の谷川清美を講師に、演劇の面白さを学ぶワークショップです。
ワークショップでは、過去から現代への演劇表現の流れや最新の表現について、注目の劇団の話や実践を交えながら紹介するとともに、新しい演劇表現に出会った時に注目するポイントについて、クリエイターの立場からお話ししていきます。時に軽妙なトークで、時に冷静な分析眼で、演劇をひも解いていく様は、演劇という表現をより深く知る手助けになるとともに、作品を楽しむための糸口にも繋がるでしょう。
ワークショップによせて(阿部初美)
シェイクスピアは、「演劇は世界の鏡たれ」と言いましたが、長い歴史のなかで、演劇は現実をうつす鏡として、観る者の現実に対する認識を促すという役割を果たしてきました。そして時代の変化とともに、多くの演劇人たちは自分たちの時代に合った表現を探究し、演劇表現を発展させてきました。
日本では20世紀に入るまでは能と歌舞伎が親しまれてきましたが、ヨーロッパから近代自然主義演劇が輸入されると、いわゆる「型」ではない日常のような自然な演技や、写実的な筋を持つ劇表現が模索されてきました。今も一般的に日本の演劇に多くみられる表現、また「演劇」ときいて多くの人が持つイメージはこの系譜のものではないかと思います。
しかしこの表現は近代という時代が必要に応じて生み出した表現です。近代以降、映画やテレビなどの出現によって、演劇は独自の表現を追求し始めました。また携帯電話やインターネットなどの科学の発達によって時代がどんどん変化する中で、現代の私たちの時代に合った「現代演劇」の表現を探究する演劇人も世界には少なからずいるのです。そして現代演劇では、現代社会の多様化に呼応するようにその表現も多様化しています。
今回のワークショップでは、近代劇から現代劇への移行において何が大きく変化したのかを、また現代演劇を4つのキーワードを通してその表現のさまざまな方向性を、記録映像とともに、また簡単な実践を通してみていきたいと考えています。(演技経験のない方でも大丈夫です。)そして、演劇鑑賞をもっと楽しむためのきっかけになればと思っています。
プロフィール
講師
阿部初美
演出家
1970年茨城県生まれ。武蔵野美術大学卒業後、演劇集団円 演出部に所属。1995年より劇作家 ・演出家の太田省吾に師事。2000年より演出活動を始める。2003年、ベルリン演劇祭Theatertreffen関連企画「若手演劇人の国際フォーラム」に招聘参加。2006年より、にしすがも創造舎レジデント・アーティスト。近年はドキュメンタリー的な手法を取り入れ、社会的なテーマを扱うSeries Compl ...
谷川清美
俳優
1967年生まれ。演劇集団円所属。主な舞台作品に、太田省吾演出『水の駅-3』『ヤジルシ』、ヨッシ・ヴィーラー演出『パウル氏』『四谷怪談』、アントワーヌ・コーベ演出『見よ、飛行機の高く飛べるを』、ルティ・カネル演出『母アンナ・フィーアリングとその子供たち』など。阿部初美演出作品には、『4.48サイコシス』(東京国際芸術祭2006)、『アトミック・サバイバー』(東京国際芸術祭2007)、などに出演する ...
参加費
料金
- 一律
- 1,500円
基本情報
開催日時 |
2007年7月14日(土)〜16日(月) ※3日間通し |
会場 | |
参加費 | 有料 要申込 |
参加対象/対象年齢 |
高校生〜一般 |
定員 | 20 人 |
プレスリリース |
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