おーい幾多郎

文学座による演劇作品を上演する公演です。

日本を代表する哲学者西田幾多郎（きたろう）博士は、青年教師時代に山口で教鞭を執った後に金沢へと移り住みました。この作品はその金沢時代を舞台に、日々の暮らしに苦闘しながらも研究にいそしむ幾多郎、凛とした気品をただよわす母、軍人の弟、出戻りの姉、そして幾多郎を陰で支える妻と子どもなど西田家の人々が織りなす笑いと涙のヒューマンドラマです。
金沢市民芸術村の戯曲講座から台本が誕生し、ワークショップやリーディング、そしてドラマ工房の市民公演を経て、劇団文学座による金沢・東京公演がなされ、今回07年の全国ツアーまで至りました。戯曲賞に名を残す岸田國士らが創立し、俳優座、民藝とともに日本を代表する新劇三大劇団に称される文学座初めての山口公演となります。幾多郎を演じるのは山口出身の瀬戸口郁。演出を昨年の国民文化祭やまぐちの演劇祭で講座講師を務めた文学座の西川信廣。笑いと涙の「家族の肖像」をお楽しみください。