クワクボリョウタ新作インスタレーション展
R/V
メディアがつくる多重化したリアリティ―
今日的なコミュニケーションの諸相を体験する
メディアアーティストのクワクボリョウタによる新作インスタレーションを発表する展覧会です。
クワクボは、第7回文化庁メディア芸術祭(2004年)アート部門大賞受賞、ナムジュン・パイク賞ノミネート(ドルトムント、ドイツ)など、近年の活躍は目ざましく、現在最も期待されているメディアアーティストの1人です。彼は、コンピュータープログラムよるアートを目指すだけでなく、戦後の日本文化がつねに作り出してきた、実際にうごく機械やおもちゃなどの表現の面白さ、ゲームやサブカルチャーへの影響などを踏まえた上で、デバイスというモノ製作とデジタル情報技術を独自の視点で結びつけ、その両面を自ら創作し続けてきました。新しいテクノロジーを身につけたり、 機械・ロボットなどのデバイスを使用することによって、人間関係がどう変わるのか?実際のコミュニケーションがどのように影響を受けるのか? これらがクワクボ作品において重要な探求テーマとなっています。
今回発表する同名の新作「R/V」は、本展のためにゼロから構想・制作された最新作で、〈テクノロジーによる人間関係の変化〉をテーマに、鑑賞者の知覚を載せて移動するロボットを用いた新作インスタレーション作品です。本作のタイトルは、作品がもたらすリアルとバーチャルが混在した状況を示唆するとともに、このロボットの特徴を、生活空間を内包しながら移動可能な「RV」と呼ばれるタイプの自動車(いわゆるキャンピングカー)と重ね合わせる意図が込められています。ロボットを介した鑑賞者同士のコミュニケーションを誘発する本作を通じて、ロボットに対する認識や、コミュニケーション様式が変容していくプロセスを提示していきます。
展示作品
プロフィール
クワクボリョウタ
メディアアーティスト
現代美術とメディアアートを学んだ後、98年に明和電機との共作「ビットマン」を制作し、エレクトロニクスを使用した作品制作活動を開始。デジタルとアナログ、人間と機械、情報の送り手と受け手など、さまざまな境界線上で生じる事象をクローズアップする作品によって、デバイス・アート」とも呼ばれる独自のスタイルを生み出した。2010年発表のインスタレーション「10番目の感傷(点・線・面)」以降は、観る人自身が内面 ...
入場料
- 入場無料