トヨタ・アートマネジメント講座山口セッション
評価システムを評価する―21世紀型の公共文化施設を目指して
公共文化施設の活動の評価基準について検討するシンポジウムです。トヨタ・アートマネジメント講座(TAM)の山口講座として開催します。
美術館や博物館、あるいは劇場は、市民に必要とされているのか?ある街では市立美術館が民間委託か閉館かと存続自体を問われています。新劇場建設に住民訴訟を含む反対運動が起こっている街もあります。いま、自治体の予算削減や市民の文化的ニーズの変化を受け、公共文化施設を取り巻く状況が大きく変わろうとしています。それは、文化施設の役割や活動を、誰がどのような方法で、どう評価するかのモノサシが問われていることでもあります。
このイベントでは、2002年に「建設見直し」を掲げる新市長当選により工事が3ヶ月中断し、2003年11月に開館したばかりの山口情報芸術センター[YCAM]を舞台に、公共文化施設の評価のモノサシについて考えます。
内部評価を導入した事例や外部からの達成評価の当事者対談など、各地の取り組みを報告。また、山口情報芸術センターを観客の立場で視察して評価する「エヴァリュエーション・ツアー」を実施、評価結果である「公共文化施設の通信簿」を報告します。公共文化施設の「評価」のモノサシはどこにあるのか、そして、評価結果をどのように現場運営にいかせるのか。—あなたは、このセッションをどのように評価しますか?
タイムテーブル
2月7日
13時〜14時30分 基調講演「公共文化施設をどのように評価するのか」
公共文化施設にとってなぜ評価が重要なのか、どのような流れのなかで評価を行うのか、評価結果をどのように運営にいかすのかなど、「評価」の基本的な捉え方を確認します。
14時45分〜17時30分 評価事例紹介
数値化による内部業績評価
かつしかシンフォニーヒルズなどを運営する財団法人葛飾区文化国際財団では、1999年度より、事業コストや満足度の数値化による業績評価を行い、ホームページで公開しています。評価結果は、企画の立案や職員の勤務評定に活用しています。判定が「A」なら翌年も事業拡充、「E」だと廃止。あなたの街の文化事業を「かつしか」的に採点すると、「A」?、それとも……。
外部からの達成評価
世田谷パブリックシアターでは、芸術方針や組織、財政、事業活動をアニュアルレポートとして公表するとともに、開館3年目に、ニッセイ基礎研究所に依頼して、劇場の運営方針を定めた事業計画大綱に基づいて、それまでの公演やワークショップなどの活動実績の評価を実施しました。評価はどのようになされ、結果はどう反映されたのか。評価の目的や役割について考えます。
基調講演および事例紹介への参加者からの質疑応答
講師と参加者、地元と遠方からの各参加者の相互交流の場です。ふるってご参加ください。
2月8日
評価ワークショップと報告
エヴァリュエーション・ツアーとは、観客による施設評価ツアーのこと。美術館などの文化施設や文化資源を有効利用できるように、観客サイドからの活動を展開する「つなぐNPO」が、TAM参加者や講師とともにミニ・エヴァリュエーション・ツアーで館内を巡ります。また、1月18日(日)に事前実施したツアーの模様をビデオ映像にて報告し、ツアー参加者による「公共文化施設の通信簿・YCAM版」の集計結果を発表します。あなたも一緒に山口情報芸術センターを評価してみませんか。
シンポジウム「評価のモノサシと運営への反映をめぐって」
2日間の講座とエヴァリュエーション・ツアーを通して、どのような「評価」の道筋が見えたのか。多面的な「評価」とは?また、それを施設運営や事業計画にどのように反映するのか。これからの公共文化施設が取り組むべき「評価システム」を探ります。
参加費
料金
- 一般
- 1,000円
- 学生
- 1,000円
基本情報
開催日時 |
2004年2月7日(土)、8日(日) ※2日間通し |
関連イベント | 1イベント |
参加費 | 有料 要申込 |
定員 | 100 人 |
クレジット |
主催:トヨタ自動車株式会社、財団法人山口市文化振興財団 |