personalscape

アーティストの中居伊織と、市民コラボレーター・scapegirlsによるインスタレーション作品の展示です。

白いボードに刻まれた溝をペンでなぞることによって、人が日常的な生活を通して聴いている現象としての〈音〉を追体験できる作品装置です。ラインが並んでいる数の9人の人たち（録音に協力していただいた山口市民のみなさん）が同時に共有している、同じ時刻の1時間を再現して聞くことができます。街の風景や個人の感じている風景が、音だけで再現された時、何が想像されるでしょうか？映像がないことで、作者たちは普段聞き逃しがちな音だけに感覚が集中し、立ち上がってくることを意図しています。画面上には録音時間や録音者の一般的な肩書き以外は表示していません。しかしそこから聞こえてくる音は、肩書きから想像されるパブリックイメージには収まらない、各人が体験した豊かな音風景がみえてきます。街の音景をstreetscapeとして作品化した中居伊織が、今回YCAM開館記念にあたり、山口市民によって結成されたプロジェクトチーム「scapegirls」（市民公募）との、7か月間のワークショップを経てコラボレーションした作品を公開します。