obscura machina 2004
佐藤時啓
オブスクラ・マキナ(オブスクラの機械)
メラの原理をたどる〜そのルーツから表現の現在へ
アーティストの佐藤時啓によるインスタレーション作品を発表する展覧会です。市民参加プロジェクト「meet the artist 2004:カメラオブスクラプロジェクト」の一環として開催します。
「meet the artist 2004:カメラオブスクラプロジェクト」では、さまざまなアプローチを通じて「写真」という光を通じた芸術の可能性を体感しつつ、広く普及する活動をおこなっています。今回発表する「obscura machina 2004」は、この活動を象徴する作品として、佐藤氏の監修によって設計/設置されたものです。
YCAMのホワイエ2Fのスペースに設置された大きさ5.4m×3.6m×2.4mの巨大な部屋は、写真機と同じ構造をしていますが、複数のレンズを持つことが特徴的です。中央公園側とホワイエ側にそれぞれ4つずつ備えたレンズから、黒い壁面の室内に外光を取り込んでいます。公園側の横一列に並んだレンズから入った光は、壁面から90センチ内側の天井から吊るされている横幅3mの巨大スクリーンに像を結び、中央公園と県道を走る自動車、建物といった屋外の風景を上下左右の倒立した4つの連続した像として映し出しています。逆にホワイエ側は、上下2段2列に並んだ4つのレンズから入ってくる屋内の景色を、30cm角の小型スクリーンを手に持った観客が、空間上に結ばれた焦点を探りながら鑑賞することができます。
カメラという言葉は、ラテン語で部屋という意味です。無数の監視カメラや携帯のカメラなど、現代ほどカメラが日常生活に溢れている時代は未だかつてありません。直進する光が暗い空間の中で像を結び、外界の景色を映し出すという原理的なカメラの仕組みは紀元前から知られていたと言われますが、デジタル社会の今日でも光は芸術に対して数多くの着想の種となっています。絵画から写真、映画に至るまで、光を通じた芸術は、現代のメディアアートにとって重要なルーツとなっています。
本作は、それまでの光の芸術およびそのルーツを、単純化された構造で描き出す、抽象化された存在=仕掛けだと言えるでしょう。
展示作品
- 準備中
obscura machina 2004
プロフィール
佐藤時啓
アーティスト
1957年生。東京芸術大学大学院美術研究科修了。光をテーマとした彫刻、写真、カメラオブスクラをモチーフとしたプロジェクトなど多岐にわたる活動を展開。国内、海外でも多くの展覧会や個展を開催。山口では宇部市で行われた第20回現代日本彫刻展(2003)にて、宇部興産株式会社賞を受賞している。現在、東京芸術大学先端芸術表現科助教授。
基本情報
開催日時 |
2004年7月21日(水)〜10月24日(日) 10:00〜22:00 |
イベント休止日 |
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会場 |
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