メディア・ソケッツ〜多層なる創造圏

国際的に活躍する国内外のアーティストによるグループ展です。開館記念事業の一環として開催します。

「情報」と「芸術」の関係性の歴史的意味と創造性を提案するというコンセプトから、「メディア・ソケッツ〜多層なる創造圏」では、複製技術メディアつまり人間が直接何かの表現行為を行わず、何らかの光学機械や電子装置、コンピュータなどを介在することで、はじめて顕現・存在させることができる世界、をめぐる芸術表現の探求に焦点を当てます。それら各々のメディア表現は、単独で存在しているだけはなく、多層かつ多様に相互関係し合いながらわれわれをとりまき、イメージやサウンドなどの知覚要素の開拓を通して、メディアの地層形成のような新たな圏閾=ソケットを、われわれに差し出しているのではないか。その意識的、無意識的に形づくられていく新たなリアリティをめぐって企画されたグループ展覧会が「メディア・ソケッツ〜多層なる創造圏」です。
「メディア・ソケッツ」とは造語ですが、その意味するところは、今日の情報化社会をミクロなインフラとして遍在的に支えるICソケットのような不過視の存在機能へ意識をはたらかせること。また、歴史的に、発明と技術的欲求の相克から生み出されてきた、さまざまな複製技術メディアが差し出す物質的、情報的枠組み=ソケットに、様々なかたちで接続しプラグインすることで、われわれの知覚全体や身体意識自体が新陳代謝し、そこに大きな芸術的要求や創造性が展開されていくこと。このような現在の社会をミクロ/マクロに包括する、多層な圏閾としてのメディアのソケット機能をあらわそうとしたものです。