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アモーダル・サスペンション―飛びかう光のメッセージ:関連イベント
象徴としての光―都市と光の歴史をめぐって
講師 田中純
表象文化論の研究者・田中純によるレクチャーです。開催中の展覧会「アモーダル・サスペンション―飛びかう光のメッセージ」の関連イベントとして開催します。
はじめに光ありき—はるか神話が信じられていた時代から、光と闇の対立は最も強力な象徴でした。雷が神の怒りと見なされたように、暗闇を引き裂く電光は、人知の及ばない力の出現だったのです。19世紀後半における電灯の発明は、松明の炎やランプの明かり、ガス灯の光とは違ったイメージを、都市の夜の世界にもたらしました。やがて、サーチライトの光がいわば地上から天へ向けた雷光として、人間の権力や知力を表す象徴となって、ナチスの党大会や万国博覧会の夜空を演出することになります。このレクチャーでは、特に近代以降を中心に、都会の闇に浮かび上がる光という象徴の歴史的変容をたどり、ロサノ=ヘメルの「関係性の建築」を読み解きたいと思います。
プロフィール
講師
田中純
研究者
東京大学大学院総合文化研究科助教授。専攻は表象文化論、ドイツ研究。著書に『残像のなかの建築』(未来社、1995)、『都市表象分析Ⅰ』(INAX出版、2000)、『ミース・ファン・デル・ローエの戦場』(彰国社、2000)、『アビ・ヴァールブルク 記憶の迷宮』(青土社、2001、サントリー学芸賞)などがある。
基本情報
開催日時 |
2003年11月22日(土) |
会場 | |
関連イベント | 1イベント |