YCAM爆音映画祭2022

元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンでグラミー賞受賞アーティストのデヴィッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案に作られたブロードウェイのショーを完全映画化。バーンは様々な国籍を持つミュージシャンやダンサーと共に、ショーを通じて現代の様々な問題について問いかける。

｢はっぴぃえんど｣、「イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）」として活動、常に変化を繰り返し、斬新にして普遍的な音楽を創造し続ける細野晴臣。2019年アメリカ、ニューヨークとロサンゼルスで開催された“集大成”となるライブを記録する、幸福感と高揚感に満ちたライブ・ドキュメンタリー。彼は今何を思い、語るのか—。

第40回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、世界で大ヒットを記録したヴィム・ヴェンダース、不朽の名作。天使ダミエルは、人々の心の声を聞き、彼らの苦悩に寄り添っている。ある日、人間に恋をした彼は、天界から人間の世界に降りることを決意する…。壁崩壊以前のベルリンを舞台に、映像美と、詩的な脚本で紡がれる壮大な映像詩。

『ジョーカー』でアカデミー主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックス×スタジオA２４製作。NYでラジオジャーナリストとして1人で暮らすジョニーは、9歳の甥・ジェシーの面倒を数日間みることに。やがてジェシーは、ジョニーの仕事や録音機材に興味を示す。突然始まった共同生活を、モノクロの映像で描くヒューマンドラマ。

能楽師＝ポップスター【犬王】（いぬおう）から生まれた物語を、変幻自在のイマジネーションで描くミュージカル・アニメーション。室町の京の都、猿楽の一座に生まれた異形の子、犬王は、平家の呪いで盲目になった琵琶法師の少年・友魚（ともな）と出会うー。古川日出男の小説「平家物語 犬王の巻」を原作に、室町時代に人々を熱狂させた実在の能楽師・犬王（いぬおう）と、琵琶法師・友魚（ともな）の友情を描く。

1425年、フランスとイングランドによる王位継承権をめぐる「百年戦争」の真っただ中。幼いジャネット（ジャンヌ・ダルクの幼年期の呼び名）は、小さな村ドンレミで羊の世話をして暮らしていたが、神の声を聴く体験を通し、フランス王国を救うために武器を取る覚悟を決める。ジャンヌ・ダルクの幼年時代を描く、破壊的な音楽劇。

『汚れた血』『ポンヌフの恋人』の監督、レオス・カラックスの新作。スタンダップ・コメディアンのヘンリーと、国際的に有名なオペラ歌手のアンが恋に落ち、やがて世間から注目されるようになる。だが二人の間にミステリアスで非凡な才能をもったアネットが生まれたことで、彼らの人生は狂い始める。第74回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。

佐渡島を拠点に日本の伝統芸能を世界に発信し続け、創立40周年を迎えた太鼓芸能集団、鼓童の初の主演映画が完成した。佐渡島に流刑された世阿弥のような幽霊が道を歩いている。男は能面を被り、岸壁に立つと火のついた松明で空を叩く。佐渡島の浄土性や霊性、大自然の発する音と共に豊田利晃監督が紡いだ傑作音楽ドキュメンタリー。

エロイーズはデザイン学校に入学し、ロンドンのソーホー地区で一人暮らしを始める。そこで眠りに着くと、夢の中で60年代のソーホーにいた。そこで歌手を夢見るサンディに出会うと、身体も感覚も彼女とシンクロしていく…。60年代サウンドを散りばめ、エドガー・ライト監督ならでは映像で描く魅惑的なタイムリープ・ホラー。

カンヌ国際映画祭に正式招待された『Grand Bouquet』（19）など多様な映像作品を手がけてきたダンサー、振付師、映画作家として活躍する吉開菜央（山口県出身）の長編初監督作。北海道の知床半島を舞台に、突如現れた「赤いやつ」。どくどくと波打つ血の塊のような空気と気配を身にまとい、いのちみなぎる子どもの相撲大会に飛び込む。

世界の名だたる映画作家が大絶賛の傑作ドキュメンタリー。ある農場で暮らす母ブタGUNDA。生まれたばかりの子ブタたちが、必死に立ち上がり乳を求める。一本脚で力強く地面を踏み締めるニワトリ。大地を駆け抜けるウシの群れ。迫力の立体音響で覗き見るその深遠なる世界には、ナレーションや人口の音楽は一切ない究極の映像体験！

青山監督が世界で注目を浴びるきっかけとなった初期の秀作。九州で起きたバスジャック事件で心に傷を負った人たちの再生の旅を描いたヒューマンドラマ。2022年3月に青山真治監督が他界したことを受け、追悼上映としてデジタル・マスター完全版を劇場公開。第53回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞。

『Helpless』『EUREKA　ユリイカ』に続く“北九州サーガ”の集大成として、前２作の主人公たちのその後の運命を描いた群像劇の秀作。中国人密航者の手引きをする健次は少年アチュンを引き取り、幼なじみの安男の妹ユリと3人の共同生活を始める。そんな折、健次は偶然、5歳のときに自分を捨てた母に再会する。