監督・キャメラマン　木村大作特集

木村大作の初監督作品。明治時代末期、国防のため日本地図の完成を急ぐ陸軍の命を受け、命がけで前人未踏の難峰・劔岳に挑んだ男たちの真実の物語。撮影期間2年、撮影日数延べ200日以上、標高2999メートル、氷点下40度超の劒岳・立山連峰各所でロケを敢行。第33回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した大ヒット作。

笹本稜平の同名小説を原作に、父から子へと受け継がれる想い、仲間を想う人間たちにスポットを当て、山に生きる人々の“家族”の物語が綴られる。木村監督2作目は立山連峰の3000ｍを超える大汝山に建つ山小屋で撮影された。その山頂から見える360度の大自然を背景に、美しい四季の移ろいを映し出している。

原作は、「蜩ノ記」で直木賞を受賞した葉室麟の名作「散り椿」。朴訥で不器用だが、清廉に生きようとする侍たちの“凛とした生き様”、そして愛する女性のために命を懸けて闘う、切なくも美しい愛の物語。時代劇としては前代未聞の全編オールロケを敢行。第４２回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリ受賞作品。

豪華キャストが顔を揃えた東宝創立50周年記念作品。北海道と本州を結ぶ青函トンネル開通に執念を燃やす男たちと、彼らを見つめる女たちを描く。昭和32年の調査以来、国鉄の技術団員の阿久津（高倉健）は青函トンネル開通に執念を燃やしていた。7年後ようやく開始の号令がかかり、前代未聞の工事が進んでいくが…。

1977年発表当時“中年男女の命のかぎりの愛を描き得た小説”と絶賛され“しぐれ族”なる流行語まで生んでベストセラーになった恋愛小説の映画化。20年ぶりの再会に愛を燃やす男（渡哲也）と、彼の一途な想いに深い理解を示していく女（吉永小百合）。２大スターが30年ぶりにスクリーンで共演した大人のラブ・ストーリー。

東京・銀座を舞台に大手企業の社長誘拐事件を追う親子の刑事の生死を賭けた執念の追跡を描く。キャメラマンデビュー作であった木村大作は、手持ち撮影を駆使して臨場感あふれる映像を生み出した。ビルからビルへと乗り移る危険なアクションに藤岡弘がノースタントで挑み、正に命懸けの緊迫感漲るアクションを披露！

小松左京・衝撃のベストセラー小説の完全映画化。日本沈没を予言する田所博士、民族大移動の策を練る山本総理と日本の黒幕・渡老人、悲恋の若いカップル…。一億の国民をのせた日本列島がズタズタに引き裂かれ、沈むまでを、日本海溝の異変に始まり東京大地震、富士山大噴火などリアルに迫真をもって追う、民族の叙事詩。

日露開戦を目前にした明治34年末。ロシア軍と戦うために厳冬期の八甲田を踏破する寒地訓練を命じられた連隊総勢237名を待ち受けていた過酷な運命…。新田次郎の『八甲田山死の彷徨』を完全映画化し、過酷な撮影から脱走者が出たとも伝えられる。木村大作映像監修による、不朽の名作が高画質で蘇った4Kデジタルリマスター版。

人生という広野を走る夜汽車に人間の愛憎劇を託した激しく切ない愛のドラマ。『陽暉楼』「櫂」に続く宮尾登美子文学を映像化した傑作文芸大作。ひとりの男を挟んでの姉妹ふたりの愛憎を中心に、三人を囲む人々の葛藤を描く。クロード・チアリの哀愁に満ちたメロディが美しい映像と重厚な人間ドラマを盛り上げる。

旅を愛し、酒を愛し、女を愛して転々流浪…生の証しと浪漫を求めて彷徨い続けた男・檀一雄。無頼派の作家と呼ばれ、放浪の詩人と呼ばれた直木賞作家・檀一雄が、自身の生涯を心魂込めて書き上げた遺作「火宅の人」の完全映画化。十和田湖、鳥取、五島列島、阿蘇、霧島など、日本の美しい情景を背景に織りなす。