YCAM爆音映画祭2019 特別編：密室爆音

ウズキスタンの農民バザルバイが＜惑星αβツェントリオン＞から来た少年をアブドラジャンと名づけ、息子として家に連れ帰ると、奇妙な現象が次々に起こる。長閑な風景に繰り広げられる騒動。チープな手作りSFと村民の姿は、精緻な映画を見慣れた目には新鮮で、温かさと素朴な笑いを呼び起こしてくれる。

コーカサスで最も尊敬されている詩人サヤト・ノヴァの悲恋の物語を絵画とパントマイムで描く。王妃を愛してしまった宮廷詩人サヤトは、その想いを美しい詩と琴の演奏で伝えるが、恋が叶わなかったばかりか、彼は修道院に幽閉されてしまう。絶望の淵に立った彼は…。鮮やかな色彩、絵画のような画面構成が特徴的なパジャーノフの代表的作品。

南米奥地の油井で大火災が発生。祖国を追われ、世界各地からその地に流れてきた4人の犯罪者は、1人1万ドルと新たな身分という「報酬」と引き換えに、わずかな衝撃でも大爆発を起こす消火用ニトログリセリン運搬を引き受ける。2台のトラックに分乗した男たちは、火災現場まで道なき道を300キロ、ジャングルの奥へと進んでいく。監督に無断で92分に短縮し公開された1977年から40年。伝説の超大作が121分のオリジナル完全版として復活する！

大物になる夢を胸に、セレブたちが暮らすL.A.の＜シルバーレイク＞に住むオタク青年サム。ある日向かいに越してきた美女サラにひと目惚れするも、彼女は突然失踪。そこに陰謀の匂いをかぎ取った彼は、街の裏に潜む闇を追う！「私たちは誰かに操られているのかも」という現代人の恐れと好奇心に迫る、ネオノワール・サスペンス。

「東京一面白いバンド」どついたるねんとAVメーカーハマジムがタッグを組んだライブ・ドキュメンタリー「どついたるねんライブ」を再編集した劇場版。どついたるねんの世界観を最大限に生かすべく、ハマジム監督、梁井一が企画、演出し撮影され、エモーショナルな音楽と性が入り交じる混然一体となった狂乱の姿を記録。

1967年7月アメリカ史上最大級の暴動勃発。暴動発生から3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうアルジェ・モーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到した。警官たちが偶然モーテルに居合わせた若者へ暴力的な尋問を開始。やがて新たな惨劇を招き寄せていくのだった。

京劇の影響のもとアクション映画を芸術の域にまで高め、中華圏としては初めてカンヌ国際映画祭での受賞を果たし、世界に知られることとなった伝説の監督キン・フーが、宋時代の古典「西山一窟鬼」を原作とし、妖しと幻想の世界が交錯する。妖怪とのバトルの武器は剣ではなく、なんと太鼓やシンバル！

アメリカ・テキサスの郊外、小さな一軒家に住む若い夫婦は幸せな日々を送っていたが、ある日夫が交通事故で死んでしまう。妻は病院で夫の遺体にシーツを被せて去るが、死んだはずの彼は突如シーツを被った状態で起き上がり、幽霊となって自宅まで戻ってくる。『ムーンライト』など刺激的な作品を発表し続ける気鋭の映画製作スタジオA24が描く、斬新ながらどこか懐かしい愛の物語。