金曜夜のYCAMシネクラブ vol.20

いじめをきっかけに声が出なくなった小原ミユリ。そんなミユリの唯一の友達は、山の中で拾った蚕。ミユリは蚕に「紬（ツムギ）」と名付け、こっそり大切に飼っていた。ある日、いじめっ子に蚕の存在がばれ、捨てられてしまう。唯一の友達を失ったミユリは絶望するが、次の日、「富田紬（つむぎ）」という少女が転校してくる。若干23歳の新鋭監督が14歳の頃の実体験を軸に、蚕のように容姿も中身も変容する少女たちの、残酷でありながらまばゆい青春映画。主演は、ミスiD2016グランプリに輝いた保紫萌香と、RADWIMPSのアルバム『人間開花』のジャケット写真が話題になったモトーラ世理奈。

母親と離れて東京で暮らす女子高生の千代里の元に、地元の新潟で小料理屋を切り盛りしている母親が突如失踪したとの連絡が入る。地元に戻った千代里は残された料理人のアサダと母の代わりに一緒に働くことになるのだが…。『おんなのこきらい』の加藤綾佳監督が、監督の地元である新潟を舞台に、「恋愛」と「家族」について「食べる」ことを通じて描いた意欲作。主演はファッション雑誌「non-no」の専属モデルに起用され、女優業も本格的に始めている山田愛奈。「いつも月夜に米の飯」とは、不足のない生活のこと、あるいは満足な生活を願っても実際はそうはいかないことを意味することわざ。