ミューズとゲリン:ホセ・ルイス・ゲリン監督特集上映
フィクションとドキュメンタリーの境目を漂うスペイン現代映画の最高峰:ホセ・ルイス・ゲリン珠玉の作品をセレクト上映
上映作品6作品
作品上映
ミューズ・アカデミー
LA ACADEMIA DE LAS MUSAS
作品上映
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ミューズ・アカデミー
LA ACADEMIA DE LAS MUSAS
ピント教授の「ミューズ・アカデミー」が提案する、文学と恋愛の奇妙な関係。
ゴダールにとってのアンナ・カリーナ、小津安二郎にとっての原節子、ウォーホルにとってのイーディ、 そしてダンテが熱烈に愛したベアトリーチェ。古より、多くの優れた芸術の裏には、 いつもその創作欲を奮い立たせる輝かしいミューズ(女神)の存在があった。 バルセロナ大学の教室で、イタリア人のピント教授は、現代のミューズ像を探るべく「ミューズ・アカデミー」を開講する。 それは、詩を通じて世界を再生させる画期的な授業だった。だが高尚な文学や芸術を語る場であったはずの教室で、 教師と生徒の果てない議論は、予期せぬ場所へと向かっていく。一方、教授の妻は「恋愛は文学が捏造したもの」だと言い、 夫のミューズ像を強く否定する。映画にはどこかで聞いたことがあるような痴話げんかや嫉妬の言葉があふれ、 やがて私たちは、教授と教え子たちの関係が変わる瞬間を目撃することになる。 果たして「ミューズ・アカデミー」の行き着く先は、文学の新しい未来か? それとも彼ら自身の恋愛物語か?言葉とまなざしが交錯する教室で、美と愛の講義が始まる。
『シルビアのいる街で』が日本でも大きな話題を呼んだホセ・ルイス・ゲリンは、 映画のありかたそのものを問う斬新な作品で、いつも私たちを驚かせてくれる.新作『ミューズ・アカデミー』でゲリンが試みるのは, 実際の大学教室でくりひろげられる授業風景と、そこから派生する彼らの私生活のドラマとを見事に交差させること。 ゲリンは本作をフィクションだと言う。だがカメラが捉えたのは、ドキュメントかと思わせるほどリアルな人間関係、 監督は、「これまでつくったなかでもっとも力強い映画で、自分でつくった作品に驚かされた」と語る。 ピント教授と女たちの白熱する議論は、知的なのにとんでもなくユーモラスで、またときにエロティックな展開さえ生み出す。 スペイン語とイタリア語、カタルーニャ語が入り乱れる映画には、ギリシャ神話の恋人たちから実在の詩人に大きな影響を与えた女性たちまで、 数多くのミューズたちが登場。現代のドラマとともに、ヨーロッパ古典文学のなかのミューズ像についても思いをはせる、 見たことのない斬新なフィクション・ドキュメンタリー!
2015年/スペイン/96分/カラー
監督・脚本・撮影:ホセ・ルイス・ゲリン
作品上映
アナへの2通の手紙+サン=ルイ大聖堂の奴隷船サフィール号 2作品上映
作品上映
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アナへの2通の手紙+サン=ルイ大聖堂の奴隷船サフィール号
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アナへの2通の手紙
Dos cartas a Ana
大プリニウスの『博物誌』をもとに、 西欧絵画における「絵画の起源」を考察した、映画と絵画をめぐる実験的な映像作品。
セゴビアのエステバン・ビセンテ現代美術館で発表されたインスタレーション『コリントスの女』に含まれる映像をまとめた短編作品。 展示では、映画の1秒間が24コマ数であることに合わせ、10秒から3分程度の長さで24のパートに分割して映写された。
※『サン゠ルイ大聖堂の奴隷船サフィール号』と併映
2010年/スペイン/28分/モノクロ/ヴィスタ/デジタル/スペイン語(ほぼ字幕のみ)
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:アルバロ・フェルナンデス・プイグ
作品上映
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サン=ルイ大聖堂の奴隷船サフィール号
Le Saphir de Saint-Louis
1741年に起こった奴隷船「サフィール号」の悲劇に隠された歴史物語をひもといていく。
フランス西部の港町で毎年開催されているラ・ロシェル映画祭の依頼により製作された、 同地のサン゠ルイ大聖堂をめぐるドキュメンタリー作品。ゲリンは、大聖堂のチャペルにある1枚の奉納画に注目。 1741年に起こった奴隷船「サフィール号」の悲劇に隠された歴史物語をひもといていく。広島国際映画祭2016で上映後、 今回が初公開となる。
※『アナへの2通の手紙』と併映
2015年/フランス=スペイン/35分/カラー/スタンダード/デジタル/フランス語
監督・脚本・撮影:ホセ・ルイス・ゲリン
作品上映
影の列車
Tren de sombras
作品上映
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影の列車
Tren de sombras
写真とフィルム映像とで構成されたロマン主義溢れる実験的作品。
1930年のある朝、フランス北西部のル・テュイ湖でひとりのアマチュア映画作家が謎の失踪を遂げる。それから30年以上経ち、 彼が遺した家族映画のフィルムの断片が発見される。作家はどこへ消え、フィルムには何が映っていたのか? 過去のモノクロ映像と現在のカラー映像を交互に並べていくことで、 湖周辺に漂う映画作家とその家族の亡霊たちの姿が浮かび上がる。まるでミステリーのような物語を持つ怪奇幻想映画だが、実はその物語設定も、 発見されたという古いフィルムもすべてゲリンによる創作である。
1997年/スペイン/82分/モノクロ&カラー/スタンダード/デジタル/スペイン語
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:トマス・プラデヴァル
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ある朝の思い出+思い出 2作品上映
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ある朝の思い出+思い出
作品上映
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ある朝の思い出
Recuerdos de una mañana
証言によって描かれる、ひとりの死者の記憶と人生。
韓国のチョンジュ(全州)国際映画祭からの依頼で製作された「チョンジュ・デジタル・プロジェクト」(「デジタル3人3色」)の1作品。 2008年1月21日,バルセロナの集合住宅の4階に住むひとりの中年男が投身自殺をする。ゲリンは、近隣の人々への取材を通して、男の生前の様子と、 自殺当日の状況をカメラに映し出す。
※『思い出』と併映
2011年/スペイン=韓国/45分/カラー/ヴィスタ/デジタル/スペイン語
監督・脚本・撮影:ホセ・ルイス・ゲリン
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思い出
Souvenir
ゲリン監督キャリア初期の創作日記風の短編映画。
ゲリンが初期に撮影した、創作日記風の短編映画。フランソワーズ・アルディの『男の子と女の子』が流れるなか、 海辺でたわむれるゲリンと、『ベルタのモチーフ』でベルタ役を演じたシルビア・グラシアが映されている。
※『ある朝の思い出』と併映
1985年/スペイン/5分/モノクロ/スタンダード/デジタル/スペイン語(字幕と音楽のみ)
監督:ホセ・ルイス・ゲリン
作品上映
ベルタのモチーフ
Los motivos de Berta
作品上映
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ベルタのモチーフ
Los motivos de Berta
ゲリンが若干23歳で製作した長編第一作。
1984年に公開されたものの、その後、2012年「ホセ・ルイス・ゲリン映画祭」でニュープリントが焼かれるまで、長い間上映の機会に恵まれなかった幻の処女作。 セゴビアの辺鄙な農村地方を舞台に、孤独な少女ベルタと空想上の妻を愛する精神を病んだ男デメトリアの奇妙な交流を描く。幻想の中に生きる男との出会いは、 思春期の少女にとってあたかも通過儀礼のように消化されていく。どこかビクトル・エリセの映画を想起させる幻想的な少女映画。外国人の映画女優役で、 エリック・ロメール映画の常連女優アリエル・ドンバールが出演している。
1983年/スペイン/120分/モノクロ/ヴィスタ/デジタル/スペイン語
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:ヘラルド・ゴルメサノ
作品上映
イニスフリー
Innisfree
作品上映
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イニスフリー
Innisfree
ジョン・フォード監督『静かなる男』(1952)のロケ地となったアイルランドのコング村で撮られたドキュメンタリー映画。
フォードの映画では架空の村「イニスフリー」として登場した村に約1か月間滞在したゲリンは、映画に映された風景の現在の様子や、地元の人々の生活、 村の地理や歴史を映しとり、『静かなる男』へのオマージュとして新たな物語をつくりだす。劇中では、映画に出演した村人たちの製作裏話も披露され、 フォードやジョン・ウェインのファンを喜ばせてくれる。また『静かなる男』の映像や、W・B・イエイツの詩「イニスフリーの湖島」の朗読も引用される。
1990年/スペイン=フランス=アイルランド/108分/カラー/スタンダード/デジタル/英語・ゲール語
監督・脚本:ホセ・ルイス・ゲリン
撮影:ヘラルド・ゴルメサノ
上映/イベントスケジュール
上映期間:2017年6月10日(土)〜18日(日)
日付 | 時間 |
上映作品 イベント |
6月10日(土) | 16:00〜17:36 |
ミューズ・アカデミー |
6月10日(土) | 18:00〜19:03 |
アナへの2通の手紙+サン=ルイ大聖堂の奴隷船サフィール号 |
6月11日(日) | 15:30〜17:06 |
ミューズ・アカデミー |
6月17日(土) | 15:30〜17:06 |
ミューズ・アカデミー |
6月17日(土) | 17:30〜18:52 |
影の列車 |
6月17日(土) | 19:10〜20:00 |
ある朝の思い出+思い出 |
6月18日(日) | 15:30〜17:30 |
ベルタのモチーフ |
6月18日(日) | 18:00〜19:48 |
イニスフリー |
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チケット情報
料金
当日
- 一般
- 1,300円
- any会員
- 800円
- 特別割引
- 800円
- 25歳以下
- 800円
備考
チケットは当日券のみ。館内2階・スタジオC前の券売機でご購入ください。
特別割引は、シニア(65歳以上)と障がい者および同行の介護者が対象となります。
基本情報
上映期間 |
2017年6月10日(土)〜18日(日) |
上映作品 | 6作品 |
チケット情報 | 有料 |
クレジット |
全てDCP上映/提供:マーメイドフィルム/配給:コピアポア・フィルム |