パリ。過去と今を結ぶ恋の物語

外交官で人類学者のポールは、長かった外国暮らしを終えて、フランスへ帰国する。ところが空港で、彼と同じパスポートを持つ“もう一人のポール”がいるという奇妙なトラブルに巻き込まれる。スパイ疑惑をかけられたその男との出会いを想い出したことをきっかけに、心にしまい込んでいた過去の記憶が次々と甦るポール。幼い頃に亡くなった母、守ってくれた大叔母、父との決裂、弟妹との絆。高校時代のソ連へのスリリングな旅、そしてエステルとの初恋。パリの大学に通うポールと故郷に残ったエステルは、毎日手紙を書き綴った。変わらぬエステルへの想いに気づいたポールは、数十年ぶりに彼女からの手紙を読み返し、ある真実に想い至るのだが──。

デプレシャン監督が、『そして僕は恋をする』から実に20年、今だからこそ描ける恋に真正面から向き合った。今度のテーマは、大人なら誰もが心に秘めている“生涯でいちばん思いつめた、身を焦がすような恋”。人生も半ばを過ぎた主人公が、恋に生きた青春の日々を追憶する。

［R15+］

ちょい役の女優をしているカミーユは、25年連れ添った旦那に離婚を言い渡される。失意のカミーユは酔っ払い、病院で目が覚める。どうやら見た目は中年のままだだ、周囲からは10代に見えるらしい。学生時代にタイムスリップしてしまったカミーユは2度目の青春を満喫。人生を見つめ直す機会を得た彼女に、恐れていた未来の夫・エリックとの出会いが訪れる。

本国フランスではメジャー作品を抑え、公開週第一位、約100万人の観客を動員するヒット。ジャン=ピエール・レオーを筆頭に、マチュー・アマルリック、ヨランド・モローなどフランスを代表する名優たちが顔を揃えた。カミーユが戻ったのは80年代のパリ。鮮やかでポップな音楽とファッションに彩られた、大人の夢物語！監督はアルノー・デプレシャン『二十歳の死』（1991）、『魂を救え！』（1992）などの制作に参加し、その後監督・俳優として活躍するノエミ・ルヴォウスキー。