映画女優・宮下順子をトッた監督たち

ロマンポルノ初期の代表作。神代作品への宮下順子初出演作品。

永井荷風が原作と言われる「四畳半襖の下張り」をヒントに、神代辰巳がシナリオ化した問題作。 遊びの限りをつくした中年男と初見の芸者・袖子との床のシーンが映像化され、神代監督の演出も冴えわたっている。

2015年に映倫によって日活ロマンポルノ作品の再審査が行われ、現在の審査基準に照らし合わせ、「R18+」指定だった本作の作品価値が評価され、この度「R15+」指定と認定された。

［R15+］

脂の乗り切った時期の神代辰巳×宮下順子の傑作。

大正中期から昭和にかけて収集したリアルなセックスに関する資料「高」資料の「小さな悪魔」を原作に、当時の色街育ちの早熟な少年と、芸者たちとのセックスの中で、当時の世相風俗を巧みに描破しながら人間くささを追及する、常識を超えた文芸ポルノロマン。

［R18+］

女性描写に定評のある名匠・加藤彰による愛欲と頽廃の物語。

鶴田（風間杜夫）は小説をかじりつつ、友人の村木の妹・常子に英語を教えている。ある夜、鶴田はとある家へ招き入れられる。その家人の君子（宮下順子）は、夫が日露戦争に出征中の軍人で、寂しさのあまり知人の男を相手にしていた。未ソフト化作品。

［R18+］

第1回ヨコハマ映画祭ベストテン第9位作品。

靴工場の社長・後藤は、妻子ある身だが、事務員の志麻子と不倫関係にある。2人は後藤の妻に隠れては体を重ね合わせていたが、あるとき志麻子は矢野という男と関係を持ってしまう。矢野と同棲を始めたところへ、トコという女がやって来て奇妙な3人の同居生活が始まる。

［R18+］

現代日本文学にひとつの到達点を示した中上健次「赫髪」を映画化した秀作。

ダンプカーを運転する男と道で拾った赫い髪の女との性愛の日々を描き、閉塞した時代性と男女の性の真髄に迫る。ある日ダンプカーの運転手・光造は道で赫い髪の女を拾う。女はそのまま光造の部屋に転がり込み、来る日も来る日もひたすら体を重ねる。

［R18+］

大学の応援団を舞台に、喧嘩にはめっぽう強いが女にはまるっきりだらしがない親衛隊隊長・青田赤道が主人公の、爆笑コメディシリーズ第1作。宮下は、赤道が唯一頭が上がらない、お新さんこと新子役として登場。赤道の父親の妾であり、赤道の初体験の相手を演じている。新子は原作にはなく、脚本家・田中陽造のオリジナル。

東京・玉の井の特飲街に働く売春婦たちの哀歌をユーモアたっぷりに描く。

原作は清水一行の「赤線物語」。対照的な3人の売春婦の正月の数日間を、宮下順子、芹明香、丘奈保美が演じている。本作タイトル画、風俗考証などには、玉の井を舞台にした『寺島町奇譚』で知られる漫画家・エッセイストの滝田ゆうが担当。

［R18+］

内田裕也企画・主演の実録犯罪もので、『血と骨』などで知られる崔洋一監督のデビュー作。

妻に離婚され、サラ金に手を出した冴えない警察官が、ついには郵便局強盗を企てるまでを描く。宮下順子はスナック「ヒーロー」のママを演じる。男の娘「RIE」役の小泉今日子のほか、ビートたけし、横山やすしなど助演陣も豪華。

ひとり残らずデッドボールでぶち殺しチャれ！ ヤクザ映画オールスター勢揃いの破天荒野球コメディ。

舞台は昭和25年、終戦直後米軍占領下の北九州・小倉。昔かたぎの岡源組と新興の橋伝組の抗争を解決するため、警察署長の提案で抗争に代えて野球大会が開かれる。加助（菅原文太）が好意を寄せるお仙を宮下が演じている。

紀州熊野を舞台にした数々の物語を紡いだ小説家・中上健次による書き下ろし脚本を、柳町光男監督が映画化。

北大路欣也演じる達男の妻を宮下順子が演じる。ひとりの木こりの姿を、土着的な風土の中に神話的な世界を融合させ描いた。中上ワールドの映画化に成功した1980年代の日本映画を代表する力作。音楽は武満徹。

怪談映画の巨匠・中川信夫監督の遺作。

鈴木泉三郎の新歌舞伎の映画化作品で、登場人物をたった3人に絞った作劇が話題になった。ドサ廻りの旅役者・小平次、太鼓叩きの太九郎と女房のおちか。彼等は幼友達。小平次がおちかを口説いたことから、三人の関係は崩れ、太九郎は小平次を殺してしまう…。男と女の愛憎劇を怪異談に仕立てた。

製作13年間。土地に根付き、その土地の歴史・人々の営みを映画化してきたドキュメンタリーの巨人・小川紳介による唯一無二にして異形の傑作。牧野村で伝えられてきた口承の伝統、舞踏、そして架空の劇映画の形をとって再現された歴史。著名なプロの俳優とまざって、村人たちが自らの先祖を演じている。