映画俳優、浅野忠信

浅野忠信、初単独主演作 日本映画プロフェッショナル大賞作品賞・主演男優賞

青山真治の劇場映画デビュー作にして『EUREKA』（2000）、『サッド ヴァケイション』（2007）と続く北九州サーガ第一作。初単独主演作にして、孤独で圧倒的な暴力を内に秘める、強烈な存在感の主人公を演じ、第11回高崎映画祭若手監督グランプリ・最優秀主演男優賞をはじめ、新人俳優賞を多数受賞した。

第58回カンヌ映画祭ある視点部門出品

西暦2015年。感染すると突発的に自殺してしまう致死ウィルスが世界中に蔓延、恐怖と絶望に覆い尽くされようとしていた。発病を抑制する唯一の方法は、日本のあるミュージシャン２人が奏でる"音"を聴くこと。題名はキリストが処刑される際に発した最後の言葉「神よ、何故に我を見捨てたもうや」の意味。

＊第64回ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門オープニング作品

青山真治監督による北九州サーガ三部作の最終作にして集大成。『Helpless』で演じた白石健次のその後を演じている。本作ではかつて健次を捨てた母・千代子（石田えり）と出会う。宮﨑あおい、オダギリジョー、光石研、川津祐介らの実力派俳優によるアンサンブルが見所。

『ドラゴンヘッド』などで知られる人気漫画家・望月峯太郎の同名コミックを松岡錠司が映画化したユニークで爽やかな青春映画。浅野忠信のスクリーン・デビュー作。牛川工業高校水泳部のウシ役を演じ、軽やかな水泳シーンを披露している。

つげ義春の同名漫画を、名匠石井輝男監督が映画化したシュールでエロティックなオムニバス。売れない漫画家のツベは今日も膨らむ一方の妄想を繰り広げていた。妄想はいつしか現実との境界が曖昧となり、夢とも現ともつかぬ世界の中、次々と奇妙な人たちと出会っていく。

近未来の東京を舞台に、あふれかえるゾンビ相手に柔術をベースにした格闘技で立ち向かう2人の男を描いた花くまゆうさく同名漫画を、哀川翔との共演で実写映画化した異色のサバイバル・ムービー。2人とも主人公の特徴であるアフロとハゲのカツラを被り熱演。

『バタアシ金魚』に続き望月峯太郎原作の映画化作品。持ち味であるオフビートなギャグと過激なバイオレンス・シーン、スタイリッシュな映像が秀逸。またコミックタッチの演出や、不可思議で個性豊かな登場人物も見どころ。特に我修院演じる殺し屋・山田の強烈なインパクトは一度見たら忘れられない。

『ユメノ銀河』（1997）に続き石井聰亙監督とのタッグを組んだのは、新感覚のアクションSF時代劇。平家が支配する平安末期の京都を舞台に、かの有名な弁慶と遮那王=源義経の五条大橋での対決を、当時の最新CGで描いた。コンテンポラリー・ダンサーの勅使川原三郎、格闘家の船木誠勝などの他ジャンルの出演者も豪華。

相米慎二の遺作となった小泉今日子とダブル主演のロードムービー。これまでの役とは打って変わって見知らぬ女に振り回されるエリート官僚を演じた。澤城は酒を飲みだすと止まらず必ず記憶をなくす。ゆり子の話では彼女の帰郷に付き合うと約束したらしく、北海道まで旅をすることに。

女子高生の援助交際を題材にした村上龍による同名小説を原作に、「エヴァンゲリオン」で知られる庵野秀明が実写映画化した本作。当時普及し始めたデジタルカメラで撮影され、またエヴァシリーズに見られるような明朝体の字幕が挿入される。浅野は主人公の援助交際の相手「キャプテンEO」を演じる。

＊第53回カンヌ映画祭コンペティション部門正式出品

松田龍平のデビュー作であると同時に大島渚の遺作となった本作。幕末に生きた新撰組の世界を独自の解釈で綴った異色時代劇。幕末の京都を舞台に、ひとりの妖艶な美少年隊士をめぐって引き起こる愛憎劇を描く。同性愛をモチーフに、耽美的な色彩で捉えた映像と坂本龍一の音楽が秀逸。

庵野秀明の実写初監督作品の現場に密着する「だけではない」異色のメイキング。 庵野監督が浅野忠信に熱心に演出をつける貴重なシーンが残っている。

ドキュメント ラブ＆ポップ3部作

• Text:庵野秀明「エヴァンゲリオン」から「ラブ&ポップ」へ
• ドキュメント ラブ＆ポップ 0部「ラストシーン」
• ドキュメント ラブ＆ポップ最終章「悪い夏」

第60回ヴェネツィア映画祭コンペティション部門 銀獅子賞（監督賞）受賞

勝新太郎の代表作「座頭市」を北野武監督が映画化。金髪の座頭市、映画全体に通底するタップダンスのリズム、スピード感と迫力に満ちた殺陣など、独自の解釈と工夫で描くエンターテインメント・アクション時代劇。

＊第61回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品

小津安二郎生誕100周年を記念し、小津を信奉する台湾の名匠ホウ・シャオシェンが現代東京を舞台に撮影しオマージュを捧げた作品。主人公のフリーライター・陽子を一青窈が、古書店の店長・肇を浅野が演じ、二人のささやかな交流を描く。

新田次郎の同名小説を原作に、多くの大作映画でカメラマンとしてキャリアを積んだ木村大作が初監督した。実際に劔岳・立山連峰各所でロケを敢行、測量隊と同じ行程をほぼ忠実に辿る危険と隣り合わせの過酷な撮影の末に実現した雄大さと迫力に満ちた映像美。

第56回カンヌ映画祭コンペティション部門正式出品

人と上手く接することが出来ないうえ、何の目的も見出せず苛立ちだけを募らせる青年が、一見穏やかながら内に危険な感情を秘めた同僚との奇妙な交流を通して、新たな何かを見出していく姿を描く。オダギリジョーの初主演作品で、彼を導く「守」役を浅野が演じた。

＊第26回トロント国際映画祭出品

山本英夫による人気漫画を原作にバイオレンス描写に定評のある三池崇史が監督し、スタイリッシュで強烈な唯一無二の作品に仕上がった。「ピアスのマー坊」の異名をとる残忍なマゾヒストの安生組の若頭・垣原に、気弱で泣き虫の刺客「イチ」が差し向けられる。

＊第57回カンヌ映画祭監督週間オープニング作品
一見普通に見える一家のちょっとおかしな日常をユーモラスに描いた異色ホームドラマ。それぞれ心にモヤモヤを抱えた家族が繰り広げるユニークなエピソードの数々を、アニメやCG映像を織り交ぜつつ、美しい田園風景をバックにゆったりとした時間の流れの中で優しく綴ってゆく。

＊第60回ヴェネツィア映画祭コントロコレンテ部門最優秀主演男優賞受賞

潔癖症で自殺願望のある日本人男性と奔放で勝ち気なタイ人女性、対称的な２人がふとした偶然から出会い、少しずつ心を近づけていく姿を静かなトーンでスタイリッシュに描いたラブストーリー。監督はタイの俊英ペンエーグ・ラッタナルアーン。