未知なるものへの想像力
不可視、不可聴、埋もれた歴史―
異なる価値観の世界に耳を傾ける三作品
上映作品3作品
作品上映
イマジン
IMAGINE
作品上映
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イマジン
IMAGINE
視覚障害者のための診療所に勤める教師と美しい教え子の淡い恋愛劇を、研ぎすまされた音響設計と自然光を駆使した魅惑の映像美で奏でたポーランド・ニューウェーブの傑作
リスボンにある、視覚障害者のための診療所。ここでは古い修道院に無償で場所を借り、世界各国から集まった患者たちに治療やトレーニングをおこなっている。そこにひとりの男がやって来る。彼の名はイアン、診療所にいる盲目の子どもたちを相手に“反響定位” の方法を教えるインストラクターだ。これを身に付ければ目が不自由でも視覚障害者用の白杖を使わずに外へ出て、自分を取り巻く環境を探求することも可能なのだ。白杖なしで自由に歩けるイアンの目的は、自身の技術や信念を伝授すること。生徒たちを危険にさらさないことを条件に、イアンは診療所で働き始める。
イアンの部屋の隣に暮らすのは、外国からやって来た成人女性のエヴァ。自室に籠もり誰とも口をきかずにいたが、次第にイアンに興味をもち、ときどき部屋を抜け出て彼の授業の様子を探りにくるようになる。やがてエヴァはイアンのノウハウを習得して、自分も自由に動き回ろうと決意する。
2012年/ポーランド・ポルトガル・フランス・イギリス合作/105分/配給:マーメイドフィルム/配給協力:コピアポア・フィルム/© Adam_Bajerski
監督・製作・脚本:アンジェイ・ヤキモフスキ
出演:エドワード・ホッグ、アレクサンドラ・マリア・ララ
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ルック・オブ・サイレンス
THE LOOK OF SILENCE
作品上映
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ルック・オブ・サイレンス
THE LOOK OF SILENCE
あなたはなぜ、兄を殺したのですかー
100万人規模の大虐殺に隠された〈責任なき悪〉のメカニズム
虐殺で兄が殺害された後、その弟として誕生した青年アディ。彼の老いた母は、加害者たちが今も権力者として同じ村に暮らしているため、半世紀もの間、亡き我が子への想いを胸の奥に封じ込め、アディにも多くを語らずにいた。2003年、アディはジョシュア・オッペンハイマー監督が撮影した、加害者たちへのインタビュー映像を目にし、彼らが兄を殺した様子を誇らしげに語るさまに、強い衝撃を受ける。
「殺された兄や、今も怯えながら暮らす母のため、彼らに罪を認めさせたい――」そう願い続けたアディは、2012年に監督に再会すると、自ら加害者のもとを訪れることを提案。しかし、今も権力者である加害者たちに、被害者家族が正面から対峙することはあまりに危険だ。眼鏡技師として働くアディは、加害者たちに「無料の視力検査」を行いながら、徐々にその罪に迫る。加害者たちの言葉から浮かび上がるのは、〈責任なき悪〉のメカニズム。さらには、母も知らなかった事実が明らかにされてゆくのだった。半世紀もの間、恐怖によって〈沈黙〉を強いられてきた被害者たちの想いが、いま溢れ出す…。
すぐ隣に加害者がいる恐怖。常識を超える、被害者と加害者の〈対面〉。そこから〈責任なき悪〉を生み出す心理的メカニズムがあぶりだされていく。
2014年/デンマーク・インドネシア・ノルウェー・フィンランド・イギリス合作/103分/配給:トランスフォーマー/© Final Cut for Real Aps, Anonymous, Piraya Film AS, and Making Movies Oy 2014
《第71回ヴェネツィア国際映画祭審査員大賞・国際映画批評家連盟賞受賞》
監督・製作:ジョシュア・オッペンハイマー
製作総指揮:エロール・モリス、ヴェルナー・ヘルツォーク
出演:アディ・ルクン、アミール・シアハーン、アミール・ハサン
作品上映
ザ・トライブ
Plemya | THE TRIBE
作品上映
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ザ・トライブ
Plemya | THE TRIBE
ピュアで、過激で、パワフルな愛が暴走する―
全編手話のみで描かれる、セリフ・字幕・吹替なしのドラマ
ろうあ者の寄宿学校に入学したセルゲイ。
そこでは犯罪や売春などを行う悪の組織=族(トライブ)によるヒエラルキーが形成されており、入学早々彼らの洗礼を受ける。何回かの犯罪に関わりながら、組織の中で徐々に頭角を現していったセルゲイは、リーダーの愛人で、イタリア行きのために売春でお金を貯めているアナを好きになってしまう。
アナと関係を持つうちにアナを自分だけのものにしたくなったセルゲイは、組織のタブーを破り、押さえきれない激しい感情の波に流されていく…。
2014年カンヌ国際映画祭で批評家達を震撼させ、批評家週間グランプリ含む3賞受賞の他、各国の映画祭で30以上の賞を受賞、驚異の問題作が登場する。登場人物の背景や心理的な説明を全て排し、純粋な身振り、表情、眼差しによる表現方法に、観客は想像力をフル回転させてスクリーンと向き合う、という初めての映画体験に身を委ねることになる。そしていつしか彼らの会話を理解している事に気付く。
2014年/ウクライナ/132分/字幕なし/手話のみ/配給:彩プロ、ミモザフィルム/© GARMATA FILM PRODUCTION LLC, 2014 © UKRAINIAN STATE FILM AGENCY, 2014
監督・脚本:ミロスラブ・スラボシュピツキー
出演:グレゴリー・フェセンコ、ヤナ・ノビコバ
第67回カンヌ映画祭批評家週間グランプリ
上映/イベントスケジュール
上映期間:2015年8月1日(土)〜9日(日)
日付 | 時間 |
上映作品 イベント |
8月1日(土) | 13:30〜15:15 |
イマジン |
8月1日(土) | 15:40〜17:23 |
ルック・オブ・サイレンス |
8月1日(土) | 17:45〜19:57 |
ザ・トライブ |
8月2日(日) | 13:30〜15:13 |
ルック・オブ・サイレンス |
8月2日(日) | 15:40〜17:25 |
イマジン |
8月2日(日) | 17:45〜19:57 |
ザ・トライブ |
8月7日(金) | 13:30〜15:13 |
ルック・オブ・サイレンス |
8月8日(土) | 17:30〜19:13 |
ルック・オブ・サイレンス |
8月8日(土) | 19:30〜21:42 |
ザ・トライブ |
8月9日(日) | 17:30〜19:13 |
ルック・オブ・サイレンス |
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チケット情報
料金
当日
- 一般
- 1,300円
- any会員
- 800円
- 特別割引
- 800円
- 25歳以下
- 800円
備考
チケットは当日券のみ。館内2階・スタジオC前の券売機でご購入ください。
特別割引は、シニア(65歳以上)と障がい者および同行の介護者が対象となります。
基本情報
上映期間 |
2015年8月1日(土)〜9日(日) |
上映作品 | 3作品 |
チケット情報 | 有料 |