Select CINE TECTONICS #15
ハルーン・ファロッキ監督特集
ハルーン・ファロッキは、映画批評から出発し、社会分析的、またはアクティヴィスト的な視点をラディカルに突き詰めることで、映画/ドキュメンタリー/現代美術といったフレームを越境した、きわめてアクチュアルな現在性を纏った映像作品を制作し続けている作家である。彼の視点は、映像の生産性と価値や機能を、変遷する社会状況の中に見いだし、冷徹なタッチで分析していくソフトモンタージュといった手法に依拠しつつ、映画100年を経た後の映像の存在を追求する。ゴダールが、あくまで静止画(絵画)から動画としての映画論に至る文明史に依拠するとするなら、ファロッキは、最新の軍事テクノロジーによる、リアルタイムの監視とデータ分析といった情報戦争に至るまでの映像の文明史を突きつける作家なのである。非常に多作の作品群の中から、今回は特徴的な9本の映像作品を選定して上映する貴重な機会となる。
上映作品10作品
作品上映
消せない火(燃え尽きない火焔)
Nicht löschbares Feuer
作品上映
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消せない火(燃え尽きない火焔)
Nicht löschbares Feuer
ベトナム戦争におけるナパーム弾の被害や、その製造過程を紹介することで、戦争と産業の関係を明らかにする。
1969年/25分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
見ての通り(物の見え方)
Wie man sieht
作品上映
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見ての通り(物の見え方)
Wie man sieht
機関銃や戦車のツール、機織り機からコンピューターへの発展など、様々な製造物の技術史を、図、写真、映像などを自在に用いて論じていく。
1986年/72分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
この世界を覗く―戦争の資料から(世界の映像と戦争の刻銘)
Bilder der Welt und Inschrift des Krieges
作品上映
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この世界を覗く―戦争の資料から(世界の映像と戦争の刻銘)
Bilder der Welt und Inschrift des Krieges
戦時中、米軍が収容所の航空写真を撮影していながら、虐殺を見落としたというエピソードや、様々な映像記録をもとに記録と認識の関係性を考察する。
1988年/75分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
ルーマニア革命ビデオグラム(ある革命のビデオグラム)
Videogramme einer Revolution
作品上映
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ルーマニア革命ビデオグラム(ある革命のビデオグラム)
Videogramme einer Revolution
テレビ映像や、現場に居合わせた人ビチが撮影した映像を再構成することで、1989年に起きたルーマニア革命の過程を辿る。
1992年/106分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
労働者は工場を去って行く
Arbeiter verlassen die Fabrik
作品上映
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労働者は工場を去って行く
Arbeiter verlassen die Fabrik
最古の映画のひとつであるリュミエール兄弟「工場の出口」に誘発された映画論。ニュース映画や、グリフィス、チャップリン、ラング、プドフキン作品における工場と労働者を分析する。
1995年/36分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
静物
Stilleben
作品上映
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静物
Stilleben
17世紀のフランドルの静物画と、90年代の写真撮影スタジオ。静物の表現の可能性を追求する双方の共通点と相違点を、交互に映し出し、堆肥しながら探求する。
1997年/56分
作品上映
アメリカ(階級関係)
Klassenverhältnisse
作品上映
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アメリカ(階級関係)
Klassenverhältnisse
フランツ・カフカの未完の小説「失踪者(アメリカ)」をストローブ=ユイレが映画化。故郷を追われ、アメリカに渡ったドイツ人青年カールの抵抗と挫折を描く。
*参考上映ファロッキ出演作品
1983-84年/126分
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
作品上映
監獄の情景
Gefängnisbilder
作品上映
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監獄の情景
Gefängnisbilder
ブレッソン「抵抗」ジュネ「愛の唄」、刑務所内に設置された監視カメラの映像など、様々な監獄の映画、映像を通じて、見ること、見られること、内と外の非対称性を突きつける。
2000年/60分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
隔てられた戦争(識別と追跡)
Erkennen und Verfolgen
作品上映
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隔てられた戦争(識別と追跡)
Erkennen und Verfolgen
湾岸戦争時に米軍が公開した、誘導ミサイルから撮影された映像を起点とする、軍事兵器や工業機械、ロボットなど、コンピューターが記録した世界についてのドキュメンタリー。
2003年/58分
監督:ハルーン・ファロッキ
作品上映
リスクへの挑戦
Nicht ohne Risiko
作品上映
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リスクへの挑戦
Nicht ohne Risiko
中規模企業とベンチャーキャピタルとの会議を記録。議論が実を結び、契約へと至るというごく一般的な経済活動を見つめることで、今日の世界を捉える。
2004年/50分
監督:ハルーン・ファロッキ
上映/イベントスケジュール
上映期間:2011年10月21日(金)〜30日(日)
日付 | 時間 |
上映作品 イベント |
10月21日(金) | 13:30〜13:55 |
消せない火(燃え尽きない火焔) |
10月21日(金) | 14:00〜15:12 |
見ての通り(物の見え方) |
10月21日(金) | 15:30〜16:45 |
この世界を覗く―戦争の資料から(世界の映像と戦争の刻銘) |
10月21日(金) | 19:00〜20:46 |
ルーマニア革命ビデオグラム(ある革命のビデオグラム) |
10月22日(土) | 12:10〜12:46 |
労働者は工場を去って行く |
10月22日(土) | 13:00〜13:56 |
静物 |
10月22日(土) | 15:10〜17:16 |
アメリカ(階級関係) |
10月23日(日) | 13:00〜14:00 |
監獄の情景 |
10月23日(日) | 15:10〜16:08 |
隔てられた戦争(識別と追跡) |
10月23日(日) | 16:30〜17:20 |
リスクへの挑戦 |
10月26日(水) | 13:30〜14:20 |
リスクへの挑戦 |
10月26日(水) | 15:00〜15:58 |
隔てられた戦争(識別と追跡) |
10月26日(水) | 16:30〜17:30 |
監獄の情景 |
10月27日(木) | 13:30〜14:26 |
静物 |
10月27日(木) | 15:00〜15:36 |
労働者は工場を去って行く |
10月27日(木) | 16:00〜17:46 |
ルーマニア革命ビデオグラム(ある革命のビデオグラム) |
10月28日(金) | 13:30〜14:45 |
この世界を覗く―戦争の資料から(世界の映像と戦争の刻銘) |
10月28日(金) | 15:00〜16:12 |
見ての通り(物の見え方) |
10月28日(金) | 16:30〜16:55 |
消せない火(燃え尽きない火焔) |
10月28日(金) | 19:00〜21:06 |
アメリカ(階級関係) |
10月29日(土) | 10:30〜10:55 |
消せない火(燃え尽きない火焔) |
10月29日(土) | 11:00〜12:12 |
見ての通り(物の見え方) |
10月29日(土) | 12:30〜13:45 |
この世界を覗く―戦争の資料から(世界の映像と戦争の刻銘) |
10月29日(土) | 15:00〜15:36 |
労働者は工場を去って行く |
10月29日(土) | 15:45〜17:31 |
ルーマニア革命ビデオグラム(ある革命のビデオグラム) |
10月29日(土) | 17:40〜18:40 |
ハルーン・ファロッキへの視点 関連イベント |
10月30日(日) | 10:30〜11:26 |
静物 |
10月30日(日) | 12:00〜13:00 |
監獄の情景 |
10月30日(日) | 13:00〜13:58 |
隔てられた戦争(識別と追跡) |
10月30日(日) | 15:30〜16:20 |
リスクへの挑戦 |
10月30日(日) | 17:00〜19:06 |
アメリカ(階級関係) |
作品が見つかりませんでした。 |
チケット情報
料金
全作品鑑賞券
- 一般
- 1,000円
- any会員
- 800円
- 特別割引
- 800円
- 25歳以下
- 800円
アメリカ(階級関係)
- 鑑賞無料
備考
チケットの購入方法についてはこちらをご覧ください
特別割引は、シニア(65歳以上)と障がい者および同行の介護者が対象となります。
基本情報
上映期間 |
2011年10月21日(金)〜30日(日) |
上映作品 | 10作品 |
関連イベント | 1イベント |
チケット情報 | 有料 |
クレジット |
主催:ドイツ文化センター、公益財団法人山口市文化振興財団 |