シネマテークプロジェクトvol.3
ポルトガル映画祭2010ーマノエル・ド・オリヴェイラとポルトガル映画の巨匠たち
日本初公開作品を含む6監督/全12作品を一挙上映
映画愛好家、必見のプログラム
2010年は、日本とポルトガルが近代的な外交関係を樹立して150年にあたります。この両国の交流を記念した「ポルトガル映画祭2010」では、日本初公開作品5作品を含む6監督/全12作品を一挙上映いたします。
100歳を超えた今も現役で映画を作り続ける巨匠マノエル・ド・オリヴェイラ監督を始め、これまで公開が熱望されながら実現しなかったジョアン=セーザル・モンテイロ監督、新進気鋭の監督作品など、新旧のポルトガル映画の傑作をまとめて見ることができる貴重なプログラムです。
■シネマテーク・プロジェクトとは
映画上映のための専門施設を持ち、映画史的、批評的なプログラムによる上映活動を目的とする全国の文化施設が連携し、これまで上映される機会のなかった映画史上重要な作品を上映・巡回するプロジェクト。本映画祭は「日仏交流150周年記念 フランス映画の秘宝」(2009)、「生誕百年記念 山中貞雄監督特集」(2009)に続く、プロジェクト第3弾となります。
上映作品12作品
作品上映
アニキ・ボボ
Aniki Bóbó
作品上映
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アニキ・ボボ
Aniki Bóbó
オリヴェイラの長篇デビュー作。陽光降り注ぐポルトの街を舞台に、躍動するアナーキーな少年少女たちを縦横無尽に活写してネオレアリズモの先駆的作品と見なされる。「アニキ・ボボ」とは警官・泥棒という遊びの名前。 幼い恋の冒険を「罪悪」と「友愛」の寓意へ変貌させる演出のスケール感はすでにして巨大。
1942年/71分/モノクロ
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:アントニオ・メンデス
出演:ナシメント・フェルナンデス、フェルナンダ・マトス
作品上映
春の劇
Acto de Primavera
作品上映
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春の劇
Acto de Primavera
16世紀に書かれたテキストに基づいて山村クラリェで上演されるキリスト受難劇の記録。自ら「作品歴のターニングポイント」と述べる本作でオリヴェイラが発見したのは「上演の映画」という極めて豊かな鉱脈だった。一見して不自然な「虚構」のドキュメントだけが喚起する謎と緊張。前人未踏の「映画を超えた映画」の始まり。
1963年/91分/カラー/日本初公開
監督・撮影:マノエル・ド・オリヴェイラ
出演:ニコラウ・ヌネス・ダ・シルヴァ、エルメリンダ・ピレシュ
作品上映
過去と現在 昔の恋、今の恋
O Passado e o Presente
作品上映
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過去と現在 昔の恋、今の恋
O Passado e o Presente
長篇劇映画第三作。ヴィンセンテ・サンチェスの戯曲「過去と現在」を監督が自ら映画用に翻案。『フランシスカ』に至る「挫折した愛の四部作」の第一部にあたる。現在の夫に心を開かず、事故死した最初の夫への想いを募らせる妻ヴァンダを中心に、過去と現在、死者と生者の間を交差する奇妙な愛が描かれる。
1972年/115分/カラー
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:アカシオ・ド・アルメイダ
出演:マリア・ド・サイセット、マヌエラ・ド・フレイタス
作品上映
トラス・オス・モンテス
Trás-os-Montes
作品上映
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トラス・オス・モンテス
Trás-os-Montes
ポルトガル現代詩を代表するアントニオ・レイスが、マルガリーダ・コルデイロと共に作った初長篇。川遊びなどにうち興じる子供たちの姿を中心に、遠い山奥のきらきらと輝く宝石のような日々を夢幻的な時間構成により浮かび上がらせる。公開当時、フランスの批評家たちを驚嘆させ、後にペドロ・コスタ監督にも影響を与えたという伝説的フィルム。
1976年/111分/カラー/日本初公開
監督:アントニオ・レイス、マルガリーダ・コルデイロ
撮影:アカシオ・ド・アルメイダ
出演:トラス・オス・モンテスの住民たち
作品上映
骨
Ossos
作品上映
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骨
Ossos
現代映画の最前線をひた走るペドロ・コスタの長篇第三作。リスボン近郊のスラム地区カボ・ヴェルデを舞台に、貧困と無気力にうちひしがれる若者たちの生を透徹した眼差しで描く。劇映画の枠組みを多分に残して作られたコスタ最後のフィルムであり、物語を食い破るように突出するショットの残酷な輝きが際立つ。
1997年/98分/カラー
監督:ペドロ・コスタ
撮影:エマニュエル・マシュエル
出演:ヴァンダ・ドゥアルテ、ヌーノ・ヴァス、マリア・リプキナ
作品上映
黄色い家の記憶
Recordações da Casa Amarela
作品上映
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黄色い家の記憶
Recordações da Casa Amarela
強烈な存在感で見る者を魅了してやまない痩身の中年男デウス(神)をモンテイロが愉快に自作自演した「ジョアン・ド・デウス」シリーズの第一作。姦淫、盗みなどの悪行に身を任せる天衣無縫のデウスの足跡が、そのままモラリスト的人間考察へと転じる。サッシャ・ギトリやバスター・キートンと比肩する偉大な個性を世界に印象づけた傑作。
1989年/122分/カラー/日本初公開
監督:ジョアン・セザール・モンテイロ
撮影:ジョゼ・アントニオ・ルレイロ
出演:ジョアン・セーザル・モンテイロ、マヌエラ・ド・フレイタス
作品上映
ラスト・ダイビング
O Último Mergulho
作品上映
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ラスト・ダイビング
O Último Mergulho
死を想い波止場で淋しげにたたずむ青年に、老人が声をかける。実は自分も人生に飽きている。最後に街に繰り出し存分に遊び、それから死ぬことにしようじゃないか......。ネオン煌めく夜のリスボンで繰り広げられる歌と踊り、酒と官能の宴。絶望と引き替えに許された、底抜けに大らかな人生賛歌。
992年/91分/カラー
監督:ジョアン・セザール・モンテイロ
撮影:ドミニク・シャピュイ
出演:ファビアンヌ・バーブ、ディニス・ネト・ジョルジ
作品上映
神の結婚
As Bodas de Deus
作品上映
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神の結婚
As Bodas de Deus
「ジョアン・ド・デウス」シリーズの最終作。「神の使い」から突如巨万の富を与えられたデウスは、それ幸いとばかりに自分の欲望を解禁する。実現した夢のような生活はしかし突如終息し、デウスは自分が破滅しているのを知るノノ。社会秩序の無効性を一方的に宣告するサド的な放縦さ。欲望と自由をめぐる孤高の省察。
1999年/154分/カラー
監督:ジョアン・セザール・モンテイロ
撮影:マリオ・バローゾ
出演:ジョアン・セーザル・モンテイロ、リタ・ドゥラン
作品上映
カニバイシュ
Os Canibais
作品上映
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カニバイシュ
Os Canibais
『過去と現在』から音楽を担当してきたジョアン・パエスとともに作られたオペラ・ブッファ映画。厳かに進行する貴族たちの晩餐会は、やがて、タイトルが予告する驚愕の食人場面へ。人間と動物、人間と機械、見せかけと本質...ヴァイオリンの調べに乗ってあらゆる境界線が軽々と犯される。
1988年/101分/カラー
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
撮影:マリオ・バローゾ
出演:ルイス・ミゲル・シントラ、レオノール・シルヴェイラ
作品上映
神曲
A Divina Comédia
作品上映
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神曲
A Divina Comédia
「精神を病める人々」の表札が掲げられた邸宅で、アダムとイブ、キリスト、ラスコリーニコフ、 ニーチェのアンチ・キリストら歴史的文学作品の登場人物たちが、信仰と理性と愛についての議論を戦わせる。西洋古典の真髄に深く分け入りながらも「まったく未知なものとして、絶対的な驚き」とともに映像化するオリヴェイラ芸術の真骨頂。
1991年/142分/カラー
監督:マノエ・ド・オリヴェイラ
撮影:イワン・コゼルカ
出演:マリア・ド・メデイロス、ミゲル・ギリェルメ
作品上映
私たちの好きな八月
Aquele Querido Mês de Agosto
作品上映
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私たちの好きな八月
Aquele Querido Mês de Agosto
新鋭ミゲル・ゴメスの長篇第二作。ヴァカンス期のポルトガル山間部を舞台に、地元の村人、映画製作チーム、音楽フェスティバルの様子をドキュメンタリー的に描く前半部が、やがていつの間にか、途切れることなく、美しい少年と少女のメロドラマを綴る後半部へと移行する。真夏の夜の夢のような脱ジャンル的秀作。
2008年/149分/カラー/日本初公開
監督・脚本:ミゲル・ゴメス、マリアナ・リカルド、テルモ・シューロ
撮影:ルイ・ポサス
出演:ソニア・バンデイラ、 ファビオ・オリヴェイラ
作品上映
トランス
Trance
作品上映
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トランス
Trance
サント・ペテルスブルグで暮らしていたソーニャは、より良い暮らしを求めてポルトガルへ向かうが、旅の途中で過酷な現実に直面する。人間の尊厳を奪われる絶望的な状況の中で、奇妙にも、耽美的な夢世界への通路が開かれる。いまポルトガルでもっとも期待される才能のひとりヴィラヴェルデの代表作。
2006年/126分/カラー/日本初公開
監督:テレーザ・ヴィラヴェルデ
撮影:ジョアン・リベイロ
出演:アナ・モレイラ、ヴィクトル・ラコフ
上映/イベントスケジュール
上映期間:2011年1月6日(木)〜16日(日)
日付 | 時間 |
上映作品 イベント |
1月6日(木) | 13:30〜14:41 |
アニキ・ボボ |
1月6日(木) | 15:00〜16:31 |
春の劇 |
1月6日(木) | 19:00〜20:55 |
過去と現在 昔の恋、今の恋 |
1月7日(金) | 13:30〜15:21 |
トラス・オス・モンテス |
1月7日(金) | 19:00〜20:38 |
骨 |
1月8日(土) | 10:30〜11:41 |
アニキ・ボボ |
1月8日(土) | 12:30〜14:01 |
春の劇 |
1月8日(土) | 14:30〜16:25 |
過去と現在 昔の恋、今の恋 |
1月8日(土) | 17:00〜18:51 |
トラス・オス・モンテス |
1月9日(日) | 10:30〜12:32 |
黄色い家の記憶 |
1月9日(日) | 13:30〜15:01 |
ラスト・ダイビング |
1月9日(日) | 15:30〜17:08 |
骨 |
1月9日(日) | 17:30〜20:04 |
神の結婚 |
1月10日(月) | 10:30〜12:01 |
ラスト・ダイビング |
1月10日(月) | 13:00〜15:02 |
黄色い家の記憶 |
1月10日(月) | 15:30〜18:04 |
神の結婚 |
1月14日(金) | 13:30〜15:11 |
カニバイシュ |
1月14日(金) | 19:00〜21:22 |
神曲 |
1月15日(土) | 10:30〜12:57 |
私たちの好きな八月 |
1月15日(土) | 14:00〜16:06 |
トランス |
1月15日(土) | 16:30〜18:52 |
神曲 |
1月15日(土) | 19:30〜21:11 |
カニバイシュ |
1月16日(日) | 10:30〜12:36 |
トランス |
1月16日(日) | 13:30〜15:57 |
私たちの好きな八月 |
作品が見つかりませんでした。 |
チケット情報
料金
料金
- 一律
- 700円
3回券
- 一律
- 1,800円
7回券
- 一律
- 3,500円
備考
チケットの購入方法についてはこちらをご覧ください
特別割引は、シニア(65歳以上)と障がい者および同行の介護者が対象となります。
基本情報
上映期間 |
2011年1月6日(木)〜16日(日) |
上映作品 | 12作品 |
チケット情報 | 有料 |
クレジット |
主催:財団法人山口市文化振興財団、一般社団法人コミュニティシネマセンター、ポルトガル大使館ーカモンイス院 |