Select CINE TECTONICS #13
伊藤大輔監督/青山真治監督特集
物語から派生する主人公を巡って
80年を隔てた映画の軌跡を交照するこころみ
映画を全く未知の存在として、われわれは接することができるか。映画は、既にすべてを知り尽くされた芸術表現=メディウムなのか。そのような本源的問いに立つフィルムメーカーは少なからず存在する。青山真治もその1人であろう。青山の新作「Le Petit Chaperon Rouge」は、赤ずきんという原理的物語を基軸に、ルー・カステルを主役に迎え、フランスで全編撮影された。ベロッキオ、ファスビンダー、ヴェンダース、ルイス、ガレルと続くカステルを主役に発想するのは日本では青山だけであり、その起用は謎である。かたや、80数年前に製作され、現在の我々には、完全に未知の存在だった伊藤大輔の「忠次旅日記」「斬人斬馬剣」は、この何年かの間に、数奇の過程を経て、再び断片的な姿を現した作品である。しかし、なぜ伊藤が、当時の大衆芸能から、大河内伝次郎、月形龍之介といった存在を突如として屹立させ、特別に映画の表象として掬い上げたのかは、今もって謎である。我々に、それを感覚する余裕はあるだろうか。映画とは未知への投企であり、謎の創出なのである。
上映作品1作品
作品上映
忠次旅日記+斬人斬馬剣+Le Petit Chaperon Rouge 3作品上映
作品上映
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忠次旅日記+斬人斬馬剣+Le Petit Chaperon Rouge
作品上映
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忠次旅日記
大河内傳次郎=伊藤大輔コンビの名声を不動のものにした作品で、1959年には『キネマ旬報』の「日本映画六十年を代表する最高作品ベスト・テン」第一位にも選ばれた。長らく「幻の映画」となっていたが、1991年に可燃性プリントが発見された。三部曲として製作されたうち、『信州血笑篇』の一部と『御用篇』の大部分が残されている。<1992年製造>
解説:東京国立近代美術館フィルムセンター
※本来は18コマ94分の作品ですが、当センターの映写環境では24コマ上映で70分になります。
1927年/70分/サイレント/染色/日活大将軍/東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:伊藤大輔
撮影:渡会六蔵(信州血笑篇)、唐沢弘光(御用篇)
出演:大河内傳次郎、中村英雄、中村吉次、阪本清之助
作品上映
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斬人斬馬剣
封建的支配に対する農民一揆のテーマを、小藩のお家騒動というオブラートに包んで表現した「傾向映画」の代表作。2002年に9.5mmフィルムのダイジェスト版が発掘された(寺澤敬一氏寄贈)。現存するのはオリジナルの2割強。フィルムセンターが初めてデジタル復元を試みた作品でもある。 <2003年製造>
--解説:東京国立近代美術館フィルムセンター
※本来は18コマ26分の作品ですが、当センターでは映写環境では24コマ上映で19分になります。
[パテベビー短縮版/デジタル復元版]
1929年/19分/サイレント/サイレント/白黒/松竹下加茂/東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
監督:伊藤大輔
撮影:唐澤弘光
出演:月形龍之介、天野刃一、伊藤みはる、関操
作品上映
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Le Petit Chaperon Rouge
20歳の娘デルフィーヌ。既成の秩序を破壊した70年代は、たとえまだ生まれていなかったにしろ、彼女にとって過去の遺物ではない。そんな彼女はいま、自らの行動を可能にするあるものを取り戻そうと決意している。かつてそれは自分のものだったというのだが......。
2008年/35分/フランス
監督・脚本:青山真治
撮影:セバスティアン・ビュシュマン
出演:ルー・カステル、ジュディット・シュムラ
上映/イベントスケジュール
上映期間:2010年12月24日(金)〜26日(日)
日付 | 時間 |
上映作品 イベント |
12月24日(金) | 13:30〜15:34 |
忠次旅日記+斬人斬馬剣+Le Petit Chaperon Rouge |
12月25日(土) | 13:30〜15:34 |
忠次旅日記+斬人斬馬剣+Le Petit Chaperon Rouge |
12月26日(日) | 13:30〜15:34 |
忠次旅日記+斬人斬馬剣+Le Petit Chaperon Rouge |
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チケット情報
料金
料金
- 一般
- 1,000円
- any会員
- 800円
- 学生
- 800円
- ジュニア(18歳未満)
- 500円
- 特別割引
- 500円
備考
チケットの購入方法についてはこちらをご覧ください
特別割引は、シニア(65歳以上)と障がい者および同行の介護者が対象となります。
基本情報
上映期間 |
2010年12月24日(金)〜26日(日) |
上映作品 | 1作品 |
チケット情報 | 有料 |
クレジット |
主催:財団法人山口市文化振興財団 |