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山口未公開日本映画特集

鈴木×鈴木：鈴木則文監督特集

鈴木則文監督15作品連続上映
時代を駆け抜けた傑作群、一挙上映

50〜60年代日活アクション映画を代表する鈴木清順監督と、60〜70年代東映アクション映画を代表する鈴木則文監督作品。アクション映画だけにとどまらない2人の映画作家の多面的な魅力を紹介する特集上映。2ヶ月で30本の豪華プログラムとともに、スペシャルゲストを招いたトークイベントも開催いたします。

鈴木清順監督特集
奇才・鈴木清順監督。モダンかつ奇抜な演出、絢爛な色彩感覚、独自の美学により、日活所属時代に手がけた、青春ものから仁侠ものサスペンスからアクションまで幅広いジャンルの作品を上映します。斬新なカメラワークや美術などにより、新しい感覚の日本映画の世界を切り開いた傑作の数々をご堪能ください。

鈴木則文監督特集
東映所属時代より、脚本家・映画監督として、任侠映画、アクション、漫画、ポルノ、アイドル、文芸作品まで、多彩な作品を手がけ、娯楽に徹した大胆明晰な作品づくりにこだわり続けた鈴木則文監督。「かつて日本映画はこんなに面白かった！」をコンセプトに監督が自ら選定した傑作の数々をお楽しみください。

『本特集上映にあたって』
1923年と1933年とに生まれたふたりの鈴木のあいだには、映画人としてのキャリアについても必然的に一昔相当の隔たりがある。
復員後まもなく助監督として採用された松竹から、日本の戦後復興を象徴するように"太陽族"映画で再生を果たす日活へと移籍し、黄金期を経て次第に斜陽していく1950年代半ばより1960年代半ばまでの日本映画の10年余を撮影所の監督として生きた清順は、そこでの最晩年には、『東京流れ者』と『殺しの烙印』をもって日活に引導を渡し、撮影所システムと訣別した。
彼の監督デビューと同年に東映に採用されたもうひとりの鈴木は、この期間の大半を助監督としての現場経験に費やす一方で、脚本家としても参加した"任侠"映画によって日活の"無国籍アクション"映画に楔を打ち込む側に与する。以後、撮影所システムが機能不全に陥る日本映画の暗中模索の季節に、たとえば『トラック野郎』シリーズに見られるように、もっぱら娯楽活劇の監督に徹することだけが則文の唯一の倫理となった。鈴木清順の日活時代の監督作品15本と鈴木則文の自選による監督作品15本を特集上映するこの企画のささやかな目論見は、とりわけ1950年代半ばから1970年代半ばに至る時代の推移を垂直軸に、また日活／東映という製作会社による作風の差違を水平軸に設定し、戦後の日本映画における活劇の相貌を俯瞰することにもある。
監修：堀家敬嗣（山口大学教育学部准教授）