フェデリコ・フェリーニ監督作品

ローマを舞台に、ゴシップ記者である主人公マルチェロが有名女優や上流階級の人々と、夜毎無軌道な宴で享楽にふける。そんな自堕落な生活を続けていくが、ある時、主人公が心のよりどころとしていたインテリ家族が一家心中する。マルチェロは強いショックを受け、一層夜毎のパーティーへとのめり込んでゆくが、それと反比例して心は一層満たされなくなっていく。優れた映像美学により、60年カンヌ国際映画祭パルム・ドールやアカデミー賞衣裳デザイン賞など、世界中の映画賞を総なめにした作品。
解説 : 冨吉美穂（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）

大道芸人ザンパノは、一人の女を奴隷として買った。貧しさ故に売られた女、ジェルソミーナは、彼の粗暴な振る舞いにも逆らわず一緒に旅回りを続ける。どんなに裏切られても献身的に男に尽くしていたが、やがて彼女は捨てられてしまう。純真無垢なヒロイン・ジェルソミーナを、フェリーニの生涯の妻ジュリエット・マシーナが演じている。56年のアカデミー外国語映画賞を受賞。孤独や喪失感、愛、心の拠り所、といったものを改めて考えさせられる作品。
解説 : 冨吉美穂（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）