「イッセー尾形のとまらない生活2007 in 山口」関連上映

1945年8月、石造りの生物研究所でひっそり暮らす昭和天皇は、暗雲たちこめる第二次世界大戦のニュースを聞いた日、東京大空襲の悪夢を見る。呻き声をあげながら目を覚ました彼は、皇太子宛に手紙を書き、アルバムを開き、ひとりたたずみながら、遠くに暮らす皇后や皇太子に思いを馳せる。そして、連合国占領軍総司令官マッカーサーと会見する日、彼はひとつの決意を胸にうかべていた……。
第二次世界大戦が集結するまでの数日間を幻想的な独自の色合いとライティングにより、息を呑む程の造形美を静かに、ロシアの名匠・ソクーロフ監督が描いた大傑作。主演のイッセー尾形は、昭和天皇をその容貌だけでなく、戦前は「人間であるのに人間であってはならない存在」であった、孤独な独りの人間として見事に演じている。