坂本龍一音楽特集

チェルノブイリ原発事故によって、放射能に汚染された村に残る人々。彼らの心の支えになっているのが、村に残るたったひとつの泉である。この泉は唯一、放射能が検出されなかった奇跡の泉であり、残った人々はこの泉がある限り生きていけると深く信じている。
村に残る老人たちと、村でたったひとりの若者、それぞれの人生のエピソードと逞しく生きていく様子を静かに美しく描いたドキュメンタリー。放射能汚染の為に地図から消されてしまった村だけれど、豊かな大地は豊作で、人々は陽気に暮している。暮らしの音や人々の声、そして自然音と一緒に坂本龍一の音楽が映像に染みわたり、生きていくということについて、より一層の深い思いにかられる秀作。

1865年の京都の新選組に入隊したひとりの謎めいた美少年・惣三郎。厳しい戒律の中、彼をめぐる嫉妬と噂から、狂気に満ちた事件がひきおこされていく……。混乱の中、総長・近藤勇が下した決断とは？
司馬遼太郎の原作に上田秋成の傑作「菊花の契」（『雨月物語』より）のエピソードを含む意味深なエンディング……。また、それを助長するような混沌とした雰囲気の中、ピアノや古いオルガンを使用したという坂本龍一のノイズを含む音楽が静かに美しく響き、映像に一層の深みを加える。