「書く女」関連上映

仕事も恋人も、全てを失った躁鬱のあるキャリアウーマンがうつり住んだのは蒲田。どん底の人生の中、彼女の周りには、福岡の従兄弟、議員、痴漢、チンピラと、様々な男が集まってくる。ちょっぴり駄目な彼らではあるが、それぞれの出会いをとおして、彼女の心は少しずつほぐれていく。
味わい深い町の風景の中に生まれた心の繋がりを愛をもって描いた注目の作品。

舞台は尼崎。
ここに文学をかつては志していたが、諸々の理由により人生に絶望を感じた生島という男がながれついた。焼鳥屋の女主人に世話されたアパートの一室で焼鳥用の臓物をさばき、串をさす日々が続く。彼の周辺には、アンダーグラウンド的な住人が多く存在し、淡々とした日常の中にも殺伐とした空気が流れていた。
そんな中にいた綾という女とひとときの至福にもにた愛情を感じ始めた頃、彼女から発せられた言葉とともに死出の旅へと2人はむかうのだった……。
暗い廊下、臓物の広がった四畳半アパート、雰囲気のある町並み、滝……。
これらの風景の中に見事とけこみ、充実した演技を見せた役者たち、そして、原作者・車谷長吉も満足した演出に、数々の映画賞受賞の理由も納得できる秀作。

不眠、過食、食べ吐きを繰り返すルポライターの玲。彼女は、頭の中で聞こえる声に悩まされていた。その為、アルコールに頼る日々が続いている。
そんな時、コンビニで出会った一人の男に目をとめる。彼のトラックに乗り込み、肌を重ね、話をするうちに玲は、心を解き放っていく。
何気ない時間を過ごす男女の心の動きとふれあいを"狭いトラックの中"という空間をいかした見事な演出に心を動かされる作品。