寝ずの番

俳優・津川雅彦が、祖父・マキノ省三、伯父・マキノ雅弘と続いた"大名跡マキノ姓"を継いで「マキノ雅彦」として監督デビューを果たした第一回作品。
「寝ずの番」とは、お通夜の事。上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴が今際のきわに言った言葉「そ○が見たい……」。それを聞いた一番弟子橋太、「はっ？えっ！」。そして、二番弟子の橋次が妻に必死の頼み事……。やがて始まる大お通夜パーティー（としか言い様が無い盛り上がり）。今流行りのトゥーランドットで歌われる「誰も寝てはならぬ」とばかりに次々と飛び出す噺の数々、それもほとんどシモネタ。いいのかなぁ、この人がこんな事言っちゃって……と思う程、豪華出演者達が繰り出す送禁止用語。挙げ句の果てにトリプルお通夜の様相を呈してきて、もうどうにでもなれ〜。人生最後の大イベントをこれぐらい盛大にやってもらえたら思い残す事なく、あちらの世界に行けるかもしれません。いやいや楽しすぎてかえって未練が残るかも……。なんとも不謹慎なこの映画、怒って下さい！呆れて下さい！そして大いに笑って下さい！"バチが当たるほど面白い"キャッチコピーに嘘は無し！！（おそらくテレビでは放送されないでしょうね。ピー音だらけになるでしょうから）
解説 : 小澤由己子（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）