ヴィタール

事故で記憶をなくした青年が唯一、興味をしめしたのは、医学書……。
やがて、医学部に入学した彼は、解剖実習で若い女性の遺体をわりあてられ、解剖にのめりこむ。そのうち、彼は現実と異なる世界に、ある女性との切ない世界を追い始め、現実を見失っていく……。
｢鉄男｣｢BULLET BALLET｣「六月の蛇」など、新作が制作される度に世界から注目を集め、評価されてきた塚本晋也の最新作である本作は、肉体・記憶をめぐる壮大な魂の物語である。現在の日本映画界で、主演作品および今後の動向が注目を集める浅野忠信が演じる、人体解剖をとおして人間性をとりもどしていく主人公（モデルは、レオナルド・ダ・ヴィンチだそうである）から感じとられる"愛と哀しみ""生と死"をこの作品を鑑賞した人は、どう受けとめるだろうか？
解説：YCAM（コミュニティシネマ）