タクシードライバー

夜が眠れないからと深夜のタクシードライバーとして働くベトナム帰還兵のトラビ ス。彼は汚れきったニューヨークの街を走りながら苛立ちをつのらせていた。銃を手に入れ自己鍛錬に明け暮れる彼は、14歳の売春婦との出会いをきっかけに、過激な行動へと走り始める……。
濡れた街並みをしっとりと描写するマイケル・チャップマンのカメラ。孤独から狂気へと転がり堕ちる人間の姿を見つめたポール・シュレイダーの脚本。心に染みるバーナード・ハーマンの音楽。ロバート・デニーロをはじめ、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル、ピーター・ボイルなど素晴らし過ぎる出演者。そして、現代アメリカを描かせたら右に出る者のないマーティン・スコセッシの演出。すべてがこの歴史的映画のために完璧に機能してる。間違いなく70年代アメリカを代表する1作。何度観なおしただろう?そして何度ため息をついただろう?凄い。凄いよ。やっぱり。さあ、イエローキャブに乗ってトラビスの狂気と一緒にニューヨークを走ろう！
第29回カンヌ映画祭グランプリ（パルム・ドール）受賞作
解説：小林ツトム（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）