サバイビング・ピカソ

ピカソは20世紀を代表する大天才。彼は多くの女性達とのロマンスにおいても有名でした。2度の結婚（オルガ､ジャックリーヌ）と3人の愛人達（マリー､ドラ､フランソワーズ）。この女性達は、この大天才の作品に多大な影響を及ぼしました。しかし、常に新しいテーマを追い求め一つの場所に安住しないピカソとの恋愛は至福の時を過ぎると嫉妬･懐疑･絶望の日々に変わっていきます。大天才は女性達を容赦なく呑み込み、傷つけ、そして新しい対象へと目を向けていき、その度にピカソの絵は変貌し、誰も描きえない芸術を生み出していったのです。この映画は、大天才と女性たちとの関係に焦点をあて、フランソワーズを中心に5人の女性が登場します。ドイツ占領下の1943年パリ。画学生のフランソワーズは61歳のピカソに出会い愛し合うようになる。しかし、ピカソには妻と二人の愛人がいた。ピカソの愛を信じながらも愛人ドラの嫉妬に神経をすりへらす、愛と葛藤の日々。（「泣く女」はこの時期に制作、モデル･ドラ）ついにフランソワーズはある決断をする……。強烈な個性と才能で人を永遠に魅了してやまないピカソ。アンソニー・ホプキンスは愛と創作に貪欲な大天才を演じた。県立美術館で開催の「ピカソ展」に合わせてこの映画をご覧になったら、さらにピカソについて興味がわくこと間違いありません。
解説:小澤由己子（コミュニティシネマ／プログラム・コミッティ）