パッチギ！

1968年の京都。府立東高校2年生の松山康介は、サッカーの親善試合を申し込むために行った朝鮮高校で、フルートを吹く女子生徒キョンジャに一目ぼれする。その日から、国籍を越えた恋を成就させようとする康介の一途な努力が始まった……。
切ない恋、熱い友情、そして不条理な社会に直面しながら、大人への一歩を踏み出そうとする若者たちを描く話題の青春群像劇。 キョンジャがフルートで吹く曲「イムジン河」は、南北分断の悲しみを歌った曲で、朝鮮半島を分断する38度線を貫いて流れるイムジン河（イムジンガン／臨津江）がモチーフとなっている。1968年当時にザ・フォーク・クルセダーズが日本語の歌詞でレコーディングしたが発売中止となり、2002年に34年ぶりに発売された。 本作は井筒監督を始め、原案となった自伝的小説を綴った松山猛、本作の音楽を担当する加藤和彦、登場人物のひとり“坂崎”のモデルとなったアルフィーの坂崎幸之助、『月はどっちに出ている』のプロデューサー李鳳宇……、この映画の時代を自ら体験し、伝説の名曲「イムジン河」に深い思い入れのある人々の出会いから生まれた。“パッチギ"とは、「突き破る、乗り越える」という意味を持つハングル語で、「頭突き」の意味。
解説：大久保雅子（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）