十二人の怒れる男

ある夏の日、12人の陪審員が集められた。被告は父親殺しの容疑で逮捕された17歳の少年。状況証拠や目撃者の証言から誰が見ても全員一致で少年の「有罪」は確実に思われた。しかし一人の陪審員ヘンリー・フォンダだけが「無罪」の投票をした。少年は果たして「有罪」か、「無罪」になるのか……。陪審員は無作為で選ばれた市民達。決して望んで来た訳では無く、それぞれの事情をかかえている。個人的な理由でさっさと"有罪"の結論を下そうとするほとんどの陪審員達。しかし「無罪」を主張するひとりの陪審員の言葉に耳を傾けていくうちに真実を探り出していこうとする姿に変わっていく。
膨大な会話が飛び交う室内劇だが、脚本・演出のすばらしさに加えて俳優達の緊張感あふれる演技が観る者を終止ひきつけ、まったく飽きさせない。まるで自分がその当事者であるかのような錯覚さえ覚える。名優ヘンリー・フォンダの執念が作り上げたとも言える本作品、人が人を裁く事の難しさをあらためて考えさせられるアメリカ映画史上に残る名作です。
解説：小澤由己子（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）

日本でも刑事裁判に裁判員が参加する制度が始まります。
自分には法廷なんて、一生縁がないだろうと思っているあなたも裁判員に選ばれるかもしれません。
この度、「十二人の怒れる男」上映にあわせ、ドラマ「裁判員制度〜もしもあなたが選ばれたらー」を上映します。