宋家の三姉妹

20世紀初頭の上海の裕福な宣教師の家庭に生まれ育った3姉妹がいた。長女は大富豪の妻、次女は中国建国の父・孫文の妻、三女は台湾総統・蒋介石の妻となる。清朝末期、辛亥革命、中華民国成立から日中戦争、さらに中国共産党と国民党の内戦、中華人民共和国の成立という、まさに激動の中国近代史の中心を別々の道を歩みながら、時に反発し、時に助け合う姉妹の姿を通じて描かれた、まさに歴史大作です。『誰かがあなたを愛している』の女性監督M・チャンが稀代の三姉妹を壮大なスケールで描く。出演は、財閥の御曹司と結婚し、中国経済を左右する大財閥を築いていく長女が007シリーズ『トゥモロー・ネバーダイ』のミッシェル・ヨー。革命家・孫文と愛し合い、反対を押し切って結婚、情熱のすべてを革命にささげ、中華人民共和国成立とともに国家副主席となる次女・慶齢は『ラヴソング』などの香港の大スター、マギー・チャン。そして、野心あふれる若き軍司令官・蒋介石と結婚する、三女・美齢はハリウッドで活躍するヴィヴィアン・ウー。その3人の父は『芙蓉鎮』『紅いコーリャン』、最近は中井貴一が出演した『ヘブン・アンド・アース』にも出演している中国を代表する国民的スターのチアン・ウェン。東京の「岩波ホール」30周年記念作品として上映されロングランの後、全国公開され、大ヒットしました。山口映画友の会でも観客は800人という大記録でした。大きなスクリーンでじっくり観たい、観てほしい、大推薦の一作です。
解説：山口映画友の会 児玉頼幸（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）