プロミス

パレスチナとイスラエル。占領と難民キャンプ、自爆テロと報復攻撃。宗教的、民族的な対立が終わることなく続き、テレビはアラファト議長死去後のさらなる混迷を伝えています。そこはあまりに日本から遠く、理解と創造が難しく感じられます。しかし、そんな地にも人々の営みがあり、喜びと苦しみがあります。この映画は、1997年から2000年の3年間（それはパレスチナとイスラエル双方につかの間の和平ムードが漂っていた時期）に、パレスチナ自治区やユダヤ人入植地、エルサレム近郊に住むパレスチナとユダヤ双方7人の少年少女にインタビューしたドキュメンタリー映画です。
20分と離れていないところに住む彼らは、それぞれ全く違う社会環境、家庭環境の中で暮らし、そして、誰から教えられたわけではないけれど、相手に憎しみの気持ちを抱いています。映画の後半、パレスチナ人の少女サナベルの呼びかけにより、そんな子ども達が一日をともにすることになります。
決して声高に政治的な解決を訴える訳ではありませんが、双方の子ども達の眼を通して、今後の和平の可能性について深く考えさせられる映画です。撮影から4年、登場する少年少女は、いまどのような日々をすごしているのでしょうか。そもそも彼らはいまも無事に暮らしているのでしょうか。平和な国に住むあなたはこの映画に何を感じますか。
解説：YCAM（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）