ボウリング・フォー・コロンバイン

御存じ「ブッシュよ、恥を知れ」の名セリフをアカデミー賞授賞式で吐き、アメリカの銃社会に敢然と立ち向かった巨漢、いや熱血漢マイケル・ムーア。カンヌ映画祭で20分にも及ぶスタンディングオベーションで絶賛されたこの作品、米アカデミーもその内容の濃さと優れたドキュメンタリー性に素直に賛辞を送らざるを得なかった。かつて全米を震撼させた大事件「コロンバイン高校銃乱射事件」、同校の生徒がライフル銃を校内で打ちまくり多数の死傷者を出したこの事件は、現在ほとんど銃所持を放任しているアメリカの恐ろしい現実を写し出している。この事件を題材にマイケルは何故銃の所持がこんなにも簡単に許されるのか、人命に対するアメリカ人の根本的観念を鋭くえぐり出して行く。大きな体をゆさぶってアポ無しの突撃インタビュー、絶対にめげない不屈のジャーナリスト魂。チャールトン・ヘストンの（あきれた）素顔あり、アニメあり、ボーリングあり（？）のこの映画。ドキュメンタリーってなんて面白いの！と新たな発見をしていただけること間違い無し！！そして皆で問いかけましょう、「こんなアメリカに誰がした？」。
解説：小澤由己子（コミュニティシネマ／プログラムコミッティ）