事前に開催された制作ワークショップの参加者32人がひとつひとつのプレイヤーを改造。本来レコードをセットするターンテーブルの上に、段ボールや鉄などの異素材を取り付け、独特のリズムやノイズなどの静かなローファイサウンドを発生させるプレイヤーを制作した。それを会場空間内にコンポジションし、コンピューターによって個別に回転を制御することで、会期中1度として同じ音の組み合わせにはならない多層的な共鳴を実現している。
観客はこの作品を通じて、これまで着目することの無かったプレイヤーそのものが持つ音に耳を傾け、デジタルポータブルプレイヤーの普及によって忘却されつつあるレコードとレコードプレイヤーの意味やその可能性、音響芸術上の歴史的な意義を発見することができる。
個の集積がつくり出す濃密なサウンドスケープ
127台のポータブルレコードプレイヤーからなるサウンドインスタレーション。