会場の中央には、一見鏡と見間違うほど澄んだ水面を持つ台座と、巨大な岩が周囲に配置されている。水面には、会場を包み込む繊細なサウンドに呼応するかのように水滴が落ち、波紋が広がる。時間をかけ水滴の落ちる量やスピード、場所が変化していく。水滴に合わせ、会場内の光量が微かに変化していくなか、鑑賞者は水滴によって波紋が広がり干渉しあう様子を眺める。水の様態の変化を起点とした、環境のわずかなコントラストの変化により、さまざまな記憶を喚起させることで、環境への意識を開かれていく。
水滴落下装置
水滴を自在に落下させることができる装置はYCAMインターラボが開発したもので、地球上の気象データを取り込んで、それをもとに水滴の落下や、サウンド、照明の変化へと反映させている。