展示空間の床面には、スクリーンに相当する12メートル×1.8メートルのアルミ板が設置されており、そこに世界各地の航海図やダーウィンの『ビーグル号航海記』のテキストが投影されているほか、走査線や、スポットライトのような円形の映像が往来している。
複数の速度で運動する多層的な情報の断片は、意味や認識を形成する以前にある広大な〈情報の海〉を形成し、変化を続けながらも時に一瞬の同期を果たす。鑑賞者は同期を機に現出する情報を求めて、スクリーンの周辺やその上を漂流し、その過程で流動する情報が徐々に私たちの記憶やイメージへと組み替えられていくプロセスを体感する。