会場には、49対のスパイラル状に加工された銅のワイヤーが設置されている。鑑賞者は、まず会場でサイン波を鳴らすデバイスを手に取る。そして、任意のワイヤーにそれを取り付け、周波数を決める。取り付けられたデバイスからは会期を通じてサイン波が鳴り続ける。公開スタート時には無音の状態で始まる展示は、人が訪れさまざまな場所への設置が増えるごとに音の複雑さも増していき、聴取する場所によってもその様相を大きく変化させていく。この作品は、その姿が絶え間なく変化していく、コレクティブなパフォーマンスである。
鑑賞者がひとつずつサイン波を空間内に配置することで複雑な空間をつくり出すインスタレーション。