会場には特殊な素材で覆われた幅14m×高さ4mの巨大な多面体状の構造体が設置されており、表面には粒子状の映像が投影され、内部にはミニマルなサウンドが満たされている。鑑賞者は構造体の内部と外部を行き来しながら、さまざまな距離や角度から、瞬間ごとに再定義され変容し続けるインスタレーション空間を体験する。
サウンドと映像
構造体の内部を満たすサウンドは「任意の正方形を、2個以上の全て異なる大きさの正方形に分割できるか」という数学上の問題「ルジンの問題」の最小解に基づき、電子音を配置することで作曲されており、21パート/計42分の楽曲群からなる。このサウンドが構造体の表面の皮膜に取り付けられたオーディオ・エキサイターから、あたかも構造体全体から発せられているかのように再生される。
また構造体の表面に投影されている粒子状の映像は、このサウンドの音量や周波数や位相を解析した結果をもとに生成されており、特殊なレーザープロジェクターを使用することで、圧倒的にシャープなテクスチャを実現している。