会場には、キャタピラで移動可能な4台のロボットと、それらを操縦するコンソールボックスが設置されている。ロボットとコンソールボックスは、それぞれ液晶モニターと小型ビデオカメラとマイクを搭載しており、ロボットとロボットを操縦する鑑賞者との視聴覚が交換される。鑑賞者はロボットを自らの分身として操縦し、他の鑑賞者とロボット越しに会話などのコミュニケーションをおこなうことで、〈人と人〉のほかに〈人とロボット〉〈ロボットとロボット〉といった計3種類のコミュニケーションを同時に体験していく。
ロボット
ロボットの前面に搭載された液晶モニターとスピーカーからは、コンソールボックスから無線で送られてきた操縦する鑑賞者の表情と声がリアルタイムに出力されると同時に、そのロボットを操縦するコンソールボックスには、ロボットの前面に搭載されたビデオカメラからの音声と映像が出力される。
一見、鑑賞者とロボットの視聴覚がシンプルに交換されているようだが、会場の床面や壁面にはロボットを介さなければ見ること赤外線のパターンが投影されるなど、双方の「身体」的特性の差異が強調されるような仕掛けが施されており、鑑賞者の内部に特殊な身体感覚が立ち上がるようになっている。