会場にはサイズの異なる3つのステージ(「Answers & Questions」「Space & Distance」「Physical Line」)があり、それぞれにビデオカメラやモニター、センサーが多数設置されているほか、周辺にはインタラクションを持ったバーチャルなオブジェクトが設定されている。作品に予め決められた体験方法はなく、体験者は自由に身体を動かしながら空間内の仕掛けを探し、自ら動きのルールを導きだしていく。
ビデオカメラとモニター
作品空間内には、作品空間の様々な場所を様々な角度から撮影する10台のビデオカメラが設置されており、この映像は、同じく作品空間に設置された23台のモニターに映し出されている。モニターには、鏡のようにリアルタイムに表示されるものもあれば、数秒の遅延を経て表示されるものもあり、体験者はこれらのモニターを通じて、身体の動きに対する内省をより深めることになる。
Answers & Questions
3.6メートル×3.6メートルのステージには、空間における物体の位置情報を検出する3Dカメラが2台設置されており、ステージ上をリアルタイムにスキャンすることで、そこにコンピューターが生成した仮想空間をオーバーラップさせている。この仮想空間の様子は、ステージの付近に設置されたモニターに映し出されており、体験者はモニターを通じて、仮想空間の状態、仮想空間における自身の身体の位置を確認することができる。この仮想空間内にはキューブ状のオブジェクトが浮遊しており、体験者の身体がそれに触れると、オブジェクトの色が変化し、さまざまなサウンドが発生する。
Space & Distance
2.7メートル×2.7メートルのステージには、「Answers & Questions」と同じシステムが導入されているものの、想空間と実空間との関係を確認するためのモニターは設置されていない。そのため体験者は、時折発生する音だけを頼りに、 仮想空間内に浮遊するオブジェクトと、自身の身体との位置関係を判断する。なお、作品空間内に設置さ れたビデオカメラのほとんどがこのステージに向けられている。
Physical Line
1.8メートル×1.8メートルのステージには、3Dカメラが1台設置されており、体験者の身体のガイドラインを検出し、その右手と左足の先端の軌跡をステージ前方の大型スクリーンに投影する。