会場中央には、コンピューターによって自在に方向を変更可能なミラー装置が5台設置されており、天井から落ちる照明を縦横無尽に反射させている。そして、会場の天井全域からは市内各所で回収した500点以上もの廃品やオブジェ、そして70台のスピーカーが吊られており、ミラー装置からの光線の動きに合わせて、スピーカーから様々なサウンドが発生する。これらのサウンドは、プロから地元のアマチュアまで、総計100名以上のミュージシャンがあらかじめ指示されたスコアをもとに即興演奏をおこなった音源を素材として使用したもので、照明とサウンド、そして廃材やオブジェが共鳴し合うことで観客の記憶を刺激する複合的なオーケストラが立ち上がる。
さらに、このインスタレーションの地下には膨大な量の使われなくなった楽器や、レコードなどを用いた回廊状のインスタレーションも展開している。
地上と地下に現れる記憶の迷宮
廃品と光線を使った大規模なサウンドインスタレーション。