16個の穴が開いたフライヤーを、会場内の3ヶ所に設置されたナビゲーションテーブルに載せ、それぞれの穴を指でふさぐことによって、展覧会や作品の情報が表示される。このシステムには高精度の形態検出技術が組み込まれており、フライヤーがテーブルの上にあれば、どの位置でもどの向きでもその状態を検出し、情報を瞬時に表示することができる。
多種多様なメディアが混在/競合する現在、「紙」という原初的なメディアが持つ存在感や直感性を改めて見直し、最新の情報技術と組み合わせることによって、展覧会の新たなナビゲーションの可能性を試みている。
on the fly
山中俊治+緒方壽人
プロフィール
山中俊治
デザイナー
1982年東京大学工学部卒業後、日産自動車デザインセンターを経て1987年に独立。 1991年から94年まで東京大学助教授。1994年リーディング・エッジ・デザインを設立。2008年4月より慶應義塾大学教授。デザイナーとして腕時計から鉄道車両に至る数々の工業製品を手が ける一方、科学者としてもロボティクスや通信分野で尖端的な研究 開発に従事。JRのSUICA自動改札システムでは、改札機のかた ちに関する詳細な実験を行い、アンテナ面が少し手前に傾いたデザインで格段に読みとり率を向上させ、実用化のキーパーソンとなった。 2004年毎日デザイン賞受賞。2006年にはグッドデザイン賞金賞(OXOダイコングレーター)およびエコロジーデザイン賞(無電源情報端末Aimulet)受賞。
緒方壽人
デザインエンジニア
2000年東京大学工学部卒業。2002年岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)卒業後、ウェブデザイナー、プログラマーとして活動。2003年よりデザインエンジニアとしてリーディング・エッジ・デザインに参加。2010年株式会社オンザフライ(ON THE FLY Inc.)を設立。 2001年DESIGNTOPEデザインコンペティション優秀賞受賞。2003年文化庁メディア芸術祭 審査員推薦作品賞受賞。2004年グッドデザイン賞および2005年iF Product Design Award受賞(NTT DoCoMo OnQ)。
クレジット
フライヤーグラフィックデザイン:good design company
サウンドデザイン:松井敬治