スケートボードのランプをサンプリングした湾曲スクリーンには、本展の特設ウェブサイトに投稿されたメッセージが、セミトラのデザインによる書体「tFont(時間を持ったフォント)」を用いて表示されている。tFont は一見すると点滅しながらうごめく大量の光の粒にしか見えないが、この光の粒を露光時間(シャッタースピード)を伸ばしたカメラで撮影することで、フォントが浮かび上がり、その光の粒が持つ意味を解読できるようになる。
また、別会場にはこの作品をいくつかの異なる露光時間で撮影した映像と、セミトラ自らがこの作品を撮影した写真作品が展示されている。
No Flash Photography Allowed
セミトラ
プロフィール
セミトラ
アートユニット
ネットワークとリアルスペースを連動した独自のデザイン手法を開拓し、カンヌ国際広告祭、クリオ賞、One Show、New York ADC、D&ADなどの広告賞を多数受賞しているクリエイター集団「Semitransparent Design」(メンバー:田中良治、菅井俊之、柴田祐介、佐藤寛、萩原俊矢、柏木恵美子)から生まれたアートユニット。ビジュアル、プログラム、ネットワーク技術を駆使して、ウェブ、インスタレーション、写真、映像など、メディアの形態を選ばず多岐に渡るアイデアの作品を発表している。主な活動として、自ら開発した時間軸をもったフォント「tFont」を使ったインスタレーション「フラッシュを使用しない撮影は許可されています。(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]/2008年)」を発表したほか、同じく「tFont」を使った岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー[IAMAS]でのワークショップ開催、「映像作家100人2009」(ビー・エヌ・エヌ新社/09年)への映像提供などがある。